粟野町中央尾根(その1) | H17.3.13 |
粟野町役場のある粟野町口粟野の粟野城址(城山公園)を基点に、横根山麓の前日光林道まで延々と続く尾根は、三角点が5ヶ所あるにもかかわらず、1/25000地形図に山名の記載がまったくありません。 どんなヤブ尾根なのか、本当に山名は無いのか、踏跡は存在するのか。強く興味を引かれ、ルートファインディングの訓練にも絶好の尾根と思い、2回に分けて歩いてみました。 |
口粟野・城山公園手前駐車地7:00---231.1ピーク7:55---333ピーク8:38---368ピーク9:41---509ピーク11:32---413.5ピーク11:57/12:10---460ピーク12:40---459ピーク13:23---671.9ピーク(ハナント山)14:38/14:55---羽遠林道出合15:15---送電鉄塔15:53---羽遠林道再出合16:08---遠木鈴木商店前16:40 |
@ | 粟野城山公園にはきちんと区画された駐車場があるが、そこに終日停めるのは気が引けるので、途中にあった広場に駐車(@)。 カーブしながら坂を上がったところにある公園駐車場脇に、東屋が設置されている(A)。その裏手から城山へ上がれそうだったので、踏跡をよじ登る。 登り切ったところには、あまり使われていないと思える東屋があった。 あとは、尾根を北へ辿る。 粟野城は、南北朝時代に築城され、戦国時代後半に廃城となったと聞く。 城山公園にはとても似合わないスカイローラーを東の谷越しに見ながら北へ進むと、「男二城」の標柱があり、東の眼下には今度は忠霊塔へ登る石段が見える。 本来は、忠霊塔から本丸を経て登っていくのが城山公園の正規ルートのようだが、構わず薄い踏跡のある尾根を直登すると、頂上部に着く。 ここには、「城山」の大きな石柱と、「見張櫓」の標柱、「口粟野防空監視哨跡」の石柱がある(B)。粟野城の見張櫓は廃城から350年を経て、戦時中に再びここに監視台が置かれたようだ。 城山から西はヤブで、踏跡は無い。 木につかまりながら強引に下るとすぐにヤブはおとなしくなり、伐採地に出る。 尾根筋を再び登り、わずかに北へ行くと231.1ピークに着く(C)。 最初の三角点ピークになるが、さすがに何も無い。展望もゼロである。 東に緩やかに下ると石祠がある。 その先の、妙見寺の谷筋からは、410ピーク方面がよく見える。 333ピーク手前は、本日最初の急登。 東西に広いピークで、壊れたアンテナが放置されていた。 この先368ピークまで、小さなアップダウンを繰り返しながら進む。 北面が伐採されているところ(D)では、三峰山の展望が良い。 368ピークから先は、ルートファインディングに注意したい。 410ピークへの鞍部に下り立つルートを間違えてしまい、広い尾根を南に下ってしまった。そこには林道が通っていた。 戻る気にはなれず、南西に枝尾根を登り返し、元の尾根へ進んでいったが、この枝尾根はヤブが煩い。 ヤブを掻き分け予定していたコースと合流し、間もなく南の455.2ピークからの尾根とも合流する。ここは高谷山方面の展望が良い。 509ピークへの登りは番号入りの赤い杭を数えながら進む。この尾根前半の最高標高点だが、特に何も無いコース上の曲がり角に過ぎない。 509ピークの西のY字分岐は、南西のほうが明るいので引き込まれやすいが、進路は北西なので気をつけたい。 やがて進路は北に向きを変えて413.5ピークへ行き着くが、暗い樹林の中で展望はない。RK氏の山名板があった(E)。 413.5ピークからは西へ向かい、徐々に北西に向きを変える。 460ピークの手前には石祠がある。祠の前には缶ビールが捨てられていた。 標高450m前後の尾根をアップダウンを繰り返しながら黙々と進んでいく。 進路は西から北へ緩やかに大きくカーブし、459ピークに達するが、境界標も何も無い。 ここから、北へ向かって西へ向かい、再び北へ向かうのだが、これを間違えないようにしたい。 地形図には、鞍部に中粟野と中粕尾を結ぶ破線が記載されているが、そのような道は見つからなかった。 ここから、本日一番の長い登りが始まる。ハナント山の南東ピークへの登りだ。 背の低い笹尾根をゆっくり登っていく。 ここまで数え切れない小さなアップダウンを繰り返してきているので、この長い登りはかなりこたえる。 尾根が北へ向きを変えれば、間もなくハナント山南東ピークである。 ここは何かあってもいい雰囲気なのだが、境界標以外は何もない(F)。 広いピークで、樹林の木洩れ陽と吹き通る風が気持ちよかった。 このあたりでかなり疲れていたが、もう少し粘らないと、標高を上げて行く次回に多くの行程を残してしまうので、もうひと踏ん張りだ。 ハナント山への鞍部に下り立ち、地形図に記載されている中粕尾と羽遠林道を結ぶ破線の形跡を探したが、ただ谷があるだけで、何も見つからなかった。 国土地理院はどういう基準で現在の地形図にこのような破線を記載しているのだろうか? ハナント山への登りにかかると、屋根の角が少し欠けた石祠があった。 ワンカップの日本酒瓶と、賞味期限切れのコンビニおにぎりが備えられていた。おにぎりは備えられても嬉しくないと思うのだが? 北西から南西へ進路を変え、緩やかに登り詰めるとハナント山(671.9ピーク)に達する。山頂という感じではなく、東西に長いコース上のコブという感じだが、三角点が置かれ、山名板が1枚だけ木に括り付けられている(G)。 ハナント山というこの山名、由来は分からない。 ひと休みして北西に下っていく。 さらに尾根は北と西へ分岐するので、北へ向かう。 下り切ったところが、羽遠林道の通る峠である(H)。 ここで、そのまま林道を下りようかとも考えたが、林道はかなり大きく迂回して通っているので、ここであきらめてしまうと、次回は長い林道歩きを経てここまで来なくてはならない。 まだ15:00を過ぎたばかりである。バスの時間を考えても、時間はまだ大丈夫だろう。 この先の送電線鉄塔から巡視路を下れば次回が楽になる。 気力を奮い立たせて林道を横切った。 尾根筋は中途半端にヤブがうるさく、小さなアップダウンを繰り返していくが、Iのような黄色いポールが等間隔に立てられていて、迷うことはない。 480ピークも何もないヤブの中。 ヤブを掻き分けて北西に下っていくと、周囲がパッと明るくなって送電線鉄塔が現れた(J)。 ここで本日の稜線歩きは終わりにする。 南西に巡視路の黒い階段があり、薄く踏跡があるのでこれを辿って下りる。 クネクネと曲がりながら下りていく。 落葉が道を隠しているが、迷うレベルではない。 やがて作業道に下り立ち、さらに羽遠林道へ向かい下りていくが、伐採された杉の大木が邪魔で歩きにくい。 跨ぎながら進み、どうにか羽遠林道へ出た。 あとは、林道をひたすら南へ下るのみである。 30分ほどで県道に出合い、すぐ東の雑貨屋(鈴木商店)前に、栗山村のバス停があり、口粟野の駐車地に戻った。 人知れないヤブ尾根歩きの楽しさをかみしめた1日であった。 次回は、この続きを前日光林道まで歩く。 |
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