備前楯山周回 H17.12.4


足尾の山は遮るものがなく、10月に大平山を歩いたときは強い日差しに苦しい思いをしながら歩いたのですが、この日は絶好と思える曇り空。雪深くなる前に歩きたかったのでちょうどいいと思い、歩いてみました。
舟石峠からの一般コースではなく、切幹地区から北へ尾根伝いに登り、下山は備後楯山の東尾根〜石垣山の南尾根を使って通洞へ。ほぼ周回となるコースです。
(切幹地区・駐車スペース)8:50---(805P)9:28/9:32---(852.8P)9:39/9:45---(1030P)10:20---(1114.5P 水山)10:53/10:57---(1095P 三吉山)11:07
---(備前楯山)11:56/12:15---(1106P 石垣山)13:12/13:16---(997.9P 金龍山)13:58/14:05---(857P)14:25---(通洞駅)14:53/15:44---
(原向駅)15:49---(駐車地)16:02


@ 清滝から国道122号を日足トンネルへ向かう。
薬師岳周辺の山肌にも雪が目立ってきた。備前楯山あたりも、無雪状態で歩ける期間はあとわずかだろうと思った。

田元交差点を南へ直進すると、足尾、通洞駅前を過ぎ、国道122号と再合流する。
さらにわずかに進むとわたらせ渓谷鉄道のガードをくぐり、遠下交差点で銀山平への細い道に入る。
本当はまさにこの交差点が取付き地となるのだが、あいにく駐車スペースがないので、細い道を少し進んだ広い路肩に停めた。

取付き地には、庚申山の大きな石碑(@)があり、その裏手の急な斜面をよじ登っていく。モロ肌で滑りやすいので注意が必要。

急登を終えると何の跡かコンクリの基礎跡があり、なだらかな登りに変わる。
しばらく登って行くと808ピークで、鹿除けネットとCATVのアンテナがある。

やや下って登り返し、四等三角点のある852.8ピークに着く(A)。
三角点の裏には、「097843」と数字が彫られているが、その意味は分からない。
古い境界標も一緒に立っている

ここで北から北西に向きを変え隣りの小ピークへ。
ここにも境界標があり、今度はまた北に方向転換。
東から明瞭な尾根が合流してくる。
このあたりはヤブが少々うるさいので、東を巻くように通過する。
西側は、庚申山方面を一望できる。

1030ピークへの登りは少々キツい。
南南東から別の尾根が合流するが、それには気付くことなく登った。

ここから北を見ると、広い原っぱになっており、眼下には壊れたプレハブ小屋があり、コンクリの塊の遺構があった。
1030ピークの下りは完全な岩下りで、滑落に注意が必要。

プレハブ小屋(B)の中に入ってみたが、中は荒れ放題。ただ、黒板には「平成17年・・・」と書かれている。使うことがあるのだろうか?

この先再び岩尾根が始まっているが、これには登らないでよい。
5分ほど北で、原っぱの北限になるが、そこで降りるようになって、また尾根が始まっているので、小屋からは尾根の東側を回り込んでから取付けばよい。

尾根に再び取付き、水山への登りにかかる。
岩の斜面に取付いて尾根上までジグザグに登るが、わずかに踏跡が付いているようで、手摺の跡と思える材木が朽ちて埋もれている。作業道としても使われていたのかもしれない。

傾斜が緩やかになったところには境界標の小さな説明板が落ちており、その先にはまたしても大きなコンクリ塊の遺構が現れる。そのすぐ先が水山山頂だ。
山頂(C)はわりと尖っていて狭く、四等三角点と赤白ポール、境界標がある。
ここの三角点標石の裏にも、「027836」という数字が彫られている。
このあたりから雪がチラついてきた。

水山の北のピークからは急な下りとなり、登り返して三吉山。
その北鞍部が三吉転峠となる。
ここで、鉄砲を抱えた3人組とすれ違った。備前楯山までは人とすれ違うことはないと思っていたので少々意外だった。
猟でこんなところを歩いている人もいるのだ。

三吉転峠から少し登ったところに、またまたコンクリ塊の遺構が現れる。
コの字型の大きな塊に、太いワイヤー掛フックが埋まっていた。

ここから100mほど、一気に高度を上げる登りとなる。
岩がちだが、歩きにくいということはない。
踏跡も、踏跡だと認識できるレベルになっている。
傾斜が緩やかになると、備前楯山への稜線、そして小滝坑跡への南西尾根が一望にできる。

小ピークのアップダウンを繰り返し、石垣山への東尾根が視界に入ってくる。
この尾根分岐点が備後楯山であるが、何の表示もない。
テープを巻き付けて行こうかと思ったが、たまたま持ってくるのを忘れた。

備後楯山からは進路を北西に変え、備前楯山へ最後の登りにかかる。
踏跡は、薄く白く化粧していた。
登りの途中で、この日最初の印(赤テープ)を見る。
知らないうちに舟石峠からのメイン登山道と合流し、備前楯山山頂に着いた。

山頂(D)は南北に広く、北端には展望案内板が置かれている。
県境尾根方面の展望が素晴らしい(E)。
小雪は止んで薄日が差してきた。ここで昼食とした。

帰路は備後楯山まで戻る。
ここから東へ派生する尾根に入るのだが、分岐点には特に印はない。
ただ、入ってすぐにオレンジのテープ、そしてそのすぐ先に黄色いポストマークがあったので安心する。

しばらくはヤブがややうるさいが、踏跡は思ったより明瞭で、迷うことはない。
標高1150mあたりで、再びポストマークを見る。
ヤブから抜けると、石垣山への稜線の全貌が視界に入ってきた(F)。
南側には樹木があるが、北側はハゲ山と化している。

標高1100mからの下りは、瓦礫に滑らないように注意深く歩く(G)。
下り切った鞍部が太田峠で、ここにもポストマークがある。
南側には簀子橋堆積場を一望に見下ろせる(H)。
ここが決壊したら大変なことになるだろうな・・・などと考えながら、石垣山への登りに転じる。
石垣山の直前にもポストマークがある。

石垣山には、境界標が2本立っている。
またしても小雪が舞い始めた。先を急ぐ。

ここから南東に向きを変えて金龍山へ向かう。
石垣山のすぐ南東には石に囲まれた境界標があり、その先からザレた滑りやすい路面となる。なるべく樹木に捕まって、慎重に下って行く。

金龍山へのモロ岩尾根(金龍の首)を見て、これは歩けないかもしれないと思った。
急斜面を下り切る頃、「←本山小」の標識を見る(I)。矢印の指す先の斜面にはポストマークも見えた。
もし、金龍の首を歩き切れないときは、ここまで戻って本山小に下り、間藤から渓谷鉄道で戻ることを頭に置き、歩けるだけ歩くことにした。

怖い怖いモロ岩尾根(J)を伝って歩き、登り返したピークが脊戸山である。
山頂だけは樹木が生えている。
ここからの下りがまたしてもモロ岩で、細心の注意を要する。

再び登り返し、やや南西に向きを変えて進んだところが金龍山である(K)。
ここには、四等三角点(裏に「027846」と彫られている)と境界標がある。
山頂周辺は小広くなっている。

金龍山からは、なだらかな下りが続く。
さっきまでのモロ岩続きが信じられないようなおとなしい尾根になる。
ただ、雪が激しくなってきた。

標高900mから下り傾斜が急になってくる。西の眼下には簀子橋堆積場の姿が生々しい。

857ピークは、下りでやってくるとピークという感じはせず、尾根の突端でしかない。
ここで南西に分岐する尾根に入るが、印は何もなかったので気をつけたい。
下ってすぐに尾根筋は南に向きを変えるが、間もなくこの日最後のコンクリ塊の遺構に出会う。

遺構のすぐ先で送電線鉄塔の下を通り、緩い下り坂がずっと続く。
車の音が近づいてきて、間もなく下山であることを知らせてくれる。

金龍の祀られた祠(L)まで来たら、あとひと息だ。
祠の東斜面に踏跡が続いており、すぐに民家の裏手に下り立つ。

青い手摺の細い道を下って行くと、通洞駅が見える。
踏切(M振り返って撮影))を渡ればすぐに駅に着く。

急激に冷え込み、雪は本降りとなり、歩いて切幹地区まで行ける状況ではなくなってきた。
この日は夕方から用事があったのだが、渓谷鉄道で隣の原向駅まで移動しないと車の回収は困難な状況になった。
列車は本数が少ないので、1時間近い待合せを食らって一駅乗り、無事車に帰着した。

日足トンネル付近の路面は、すでにシャーベット状になっていた。
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M



【ルートマップ】 (赤い線が今回通ったルート)






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