半蔵山〜鞍掛山〜古賀志山縦走 H17.11.20


通勤に鞍掛トンネルを使っている私にとっては、馬の背状の変わった形している鞍掛山はいつか登りたい山でしたが、ピストンでは面白くないので、半蔵山から古賀志山までの縦走を考えました。
地形図に現れないアップダウンが多いので、現在地の把握が難しく、ルーファンの鍛錬には絶好のコースと思いますが、アクセスが不便なのがネックです。
(南いわき246号巡視路入口)7:18---(半蔵山)8:52/8:58---(493P)9:20---(池ノ鳥屋)10:20/10:25---(栗谷無線中継所)11:20---(鞍掛山)12:12/12:25
---(431P)13:17/13:22---(569P)14:55---(富士見峠)15:20---(古賀志山)15:30/15:37---(御岳山)15:45---(南登山道入口)16:07---(文挟駅)17:12


鞍掛山まではフイルム紛失により写真がありません。 
 

このコースの場合、公共交通機関でアクセスするには、半蔵山側は日光街道(R119)を通るバスを利用する(榊里バス停)。古賀志山側は、文挟駅から歩くか、森林公園入口バス停を使うしかない。

片道でも車を使うのであれば、取付き地がバス停に近い半蔵山側に停めたほうが、帰りに容易に車を回収しに行ける。

日光街道・石那田地区の猪倉街道入口のY字交差点から、少しだけ日光寄りに進んだ左手に入る小道を進むと、用水路の橋を渡って日光宇都宮道路の下にもぐることができる。
ここに駐車することにした。

猪倉街道に入ると、大草りんご園があり、道路を挟んで反対側が南いわき246号鉄塔の巡視路になっている。入口には巡視路を示す黄色いプラ柱が立っている。

巡視路はよく踏まれており歩き易い。
ジグザグに登り詰めて送電鉄塔に着く。
ここで踏跡は消滅するが、構わず鉄塔上部の尾根上によじ登り、東へ登り進むとすぐに小ピークに当たる。ここには白テープがある。

ここから、南東方面へ尾根を進む。
踏跡はないが、大した障害物もなく歩き易い。
少し進んだところに絶景ポイントがあり、高原山から日光連山まで見通せる。

425ピークへの登りは急だが、長くはない。
北の肩から南に方向転換して425ピークに到着する。
意外と狭い山頂で、展望も利かない。

ここからは南東へ下るのだが、踏跡はない。
コンパスを南東に定め、山肌を適当に下る。
下る途中で南東に鉄塔がチラッと見えるので、それも目印にするとよい。

下った鞍部には、赤黒の境界標があり、ここからは微かに踏跡が認められる。
鉄塔への登りにかかる直前では荒れた作業道を横切る。
鉄塔直下は階段が付けられている。

本日2度目の送電鉄塔の横に出るが、展望もないのでそのまま進む。
巡視路が東に向かって下っていくので、これに引き込まれないようにしたい。
踏跡のない南東の尾根に入り登って行く。

登り切ったピークからさらに小さなアップダウンがあり、
最後は南から西へ方向転換して緩やかに登り、半蔵山へ着く。
山頂は樹林と笹に囲まれ展望は皆無だが、三角点が置かれている。
割となだらかで広い山頂だ。

山頂からは南西に進む。
進んですぐに作業道らしき荒れた道が登ってきているが、構わず尾根筋を忠実に進んで行く。
小さなピークのアップダウンを経ていき、途中から異常に境界標の多い登りにかかる。
登り切ったピークには、大きな石祠がある。
周囲を偵察すると、南に下る踏跡が認められた。恐らく、南に落内地区まで続いているのではないかと思われる。

西へ進むと間もなく493ピークらしき場所に着いた。
白テープもあったのでここが493ピークだと思ったのだが、このピークからほんの少し南西に進んだピークが493ピークなのである。
私はそれに気付かず、北東ピークを493ピークだと勘違いして西に下ってしまったのだが、谷に落ち込んでいくだけで何もない。

違うと気付いて上に戻った。
南西の本当の493ピークに渡り、そこから真西に尾根が派生しているのでこれを下りたが、地形図によると50mほど下ると傾斜が緩やかになるはずなのに、そのような雰囲気がない。
どうもおかしいと思い左(南)に目をやると、なだらかな尾根が西へ続いているではないか。
どうやら本来の尾根のひとつ北の枝尾根を降りてしまったらしい。
これは地形図には現れない尾根なので始末が悪い。

またしても上に戻り、493ピーク頂上からどう下ればよいのか検証する。
まず、493ピークから西へ10mほど尾根なりに下る。
そこで西南西方向を見下ろすと、綺麗に揃えられた植林と、50mほど下ったところから始まる緩やかな尾根筋が目に入った。

ここで間違いないと判断し、西南西に向きを変えて急な斜面を適当に下る。
傾斜が緩やかになった先には、綺麗な木立の尾根が西へ続いている。
手こずったが、ようやく本来のルートに乗った。
逆コースなら何てことないところだが、ここが今回一番難しいポイントだった。

緩やかな尾根は少し進むとY字になる。
ここは左に進むのが正解。分かり辛いが、目印の黒い布が巻かれている。
右は谷筋に行ってしまう。

さらに、その先のわずかな登り返しで、再び尾根の分岐点となる。
ここには、目印として白テープが二重巻きにされている。
ここは、右折して北に向かうのが正解。
直進すると、栗谷沢ダム方面に下ってしまう。

再び綺麗な木立の尾根となり、緩やかに登って行く。
行く手に大岩が現れるが、これを登ると石祠が置かれていた。

さらに緩やかに登っていけば471ピークに着く。
ここには、SHCカワスミ製の「池ノ鳥屋」という山名板が掛けられている。
そんな山名があるとは初めて知った。
山名板の奥には、赤テープと白テープが木に巻かれ、「471m」と書かれていた。
展望はまったくない。

ここからさらに西へ向かうが、471ピークから西を見ても尾根筋は見当たらない。
どうしてだろうと思い地形図をよく見ると、西への尾根は少しだけ戻ったところから派生しているようだ。
ほんの少し戻ってみるとテープがあり、やはりそこから西へ続く尾根があった。

ジェイ・セレモG.Cを眼下に眺めながら進み、今市市と宇都宮市の境界ピークでは、赤・白のテープがあり、南に下る。
その南西ピークには、折れた小さな鉄の旗が埋まっていた。

ここから進路は南となり、栗谷無線中継所に着く。
車道が延びてきているので、これを利用してもよいのだが、曲がりくねって遠回りなので、そのままヤブを南に下ることにした。

無線中継所から南方向へは階段があって、これを下る。
階段は長さにして30mほどで終わり、そこから踏跡でもあるかと思ったが、何の踏跡もないので、あとはヤブを適当に漕ぐ。

10分弱のヤブ漕ぎで、鞍掛峠の旧道に出た。
ここで、今回の行程の半分というところである。

今回のルート設定で唯一考えたのは、鞍掛山にどこからアプローチするかだった。
鞍掛山南の一般コースまではとても行っていられないし、かといって市境界沿いの北斜面は急峻すぎてとても登れそうにない。
一番良さそうだったのは、東に派生している枝尾根であった。

ジェイ・セレモG.Cに向かう林道のひとつ西手前の廃道に入る。
入口はゲートで封鎖されていて、道は荒れ放題になっている。
踏跡を辿り、廃道のほぼ最深部が取付き地点となる。

斜面に取付いてすぐはヤブが濃いが、やがて急斜面の樹林帯となる。
踏跡の類は一切ない。
構わず西へ登って行くと、傾斜が緩む場所に出る。

この平坦地からさらに西へ進むと、尾根筋には岩が目立ってくるが、その横を通って行けるので問題はない。
いつのまにか踏跡が現れた。南から来る本来の登山道と合流したらしい。

やがて、視界が開ける場所に出る。
どうやら、ここが大岩らしい。岩の上に乗ると、確かに展望が良い。

今回は行程が長いので、先を急ぐ。
鞍掛山の頂は本当に馬の背のようで、平坦で東西に長い。
三角点のある山頂は、馬の背の西端にある。

山頂は、新しく掛けられた山名板があるだけで、割と寂しい雰囲気(@)。
ここで昼食とした。

半蔵山の取付きからここまで、5時間を要した。
493ピークで手こずったせいか、思ったより時間がかかった。
もし古賀志山まで行けそうになければ、494ピークから手岡へエスケープすることにして先を急いだ。

鞍掛山山頂から西へ進んですぐに分岐になる。
南へ向かうのは周遊コースで、古賀志へは直進する。

なだらかに下り続け、登りに転じる。
登り切ったピークは方向転換ピークで、ここで右折して北に向かう。
直進方向にも踏跡があるが、これには惑わされないようにしたい。

北へ進み、小ピークを一つ越えて、西へカーブしながら470m級ピークに登る。
これが結構キツい。このピークは北面の展望が良かった。

この先は、西への下りとなる。
地形図では、431ピークとの鞍部までは下り一辺倒のようになっているが、実際には地形図に現れない小ピークがあるのだが、構わず踏跡通りに進んでいく。

431ピークへの登りは、岩がちな山肌をジグザグに詰めていく。
この登りも、なかなかキツい。

431ピークから一旦下って登り返すと、木に「至る鞍掛」の案内標が掛けられている(A)。
ここを左(東)へ行けば、射撃場方面に向かう林道に下りられるようだ。
古賀志へはさらに西へ進む。

このあたりから、木や石に赤や青ペンキで塗られたマークが多くなる。
途中のコブや鞍部にはいちいち目印の杭が立てられている。

アップダウンが多いものの分かり易い尾根筋をドンドン進むと、やがて土台つきの立派な石の境界標の埋まった地点に出る(B)。
ここは、494ピークとの分岐点になる。
時間はまだ14時。何とか古賀志山経由でも日没までには間に合うだろうと考え、南西に続く尾根に入った。

南西に少し下って鞍部に至ると、220の境界標があり、東西に踏跡らしき形跡が認められた。
西へ向かうと494ピークの西を通って手岡地区への林道に出られ、東へ向かうと赤川ダムへの林道に出られるものと推測するが、いかに?

鞍部から西南西への登りになり、登り切った地点で進路は南に変わる。
この地点の岩上からの眺めは絶景だった。

南へわずかに下ったところに、「文挟・手岡」と書かれた案内標がある(C)が、踏跡はほとんど消滅状態で、下れるのかどうかは分からない。

さらに南へ登り返すと、進路は今度は南東となり、そしてさらに南方向となる。
登り切った540m級ピークは、今回のルートで一番の絶景ポイント。
360度の大パノラマで、筑波から日光連山、高原山までが一望できる。

このピークからは東へも踏跡があるが、南へ向かう。
すぐ南の岩場を右(西)に巻いて下り、大岩を左(東)からロープ伝いに巻いて過ぎる。
さらに、すぐ先に大きな岩があり、ここも左に巻き道がある。
巻き道から復帰した地点で振り返ると、ロープ・鎖が垂らされ、大岩の上に登れるようになっていた。
このあたりの地形は、地形図からでは読みにくい。

さらに南へ登ると、569ピークから西へ派生する尾根上に出る。
ここには、白と黄色のヒモが垂らされ、踏跡も断然濃いものとなる。

東へ平坦な尾根を進むと、再び「至る鞍掛」の案内標があり、南に下る踏跡が分岐する。
本来はここを下るのだが、569ピークはどんなところかと思ってもう少し東に進むと、丸太がベンチ代わりに並べられた地点に出た。
どうやら、ここが569ピークらしい。
さらに東へ進むと、尾根の突端で南に下るようになっていたが、これは中尾根コースに至ると聞いた(未確認)。

先ほどの「至る鞍掛」に戻り、南へ下る。
トラロープが張られた急坂となり、鞍部から登り返した小ピークは中尾根コースとの分岐点になる場所である(D)。

この先の、530m級ピークには37の境界標があって、さらに南に下れば富士見峠である(E)。
ここからは、谷下りの北コースが分岐するが、古賀志山へはさらに南へ進む。

鎖とロープの張られた坂を登り、峠から10分ほどで古賀志山の北東の肩に出る。
ここを左(東)へ進めば東稜展望台だが、時間がないのでパス。
南西へ最後の登りを経て、古賀志山に着いた。

古賀志山はさすがに山頂は広く、南面の展望は開けているが、全体的には展望には恵まれていない(F)。
ベンチもあって人さえいなければ最高の休憩場所だが、電波塔がやはり目障り。

既に15:30。時間がないので先を急ぐ。
大世自神の赤い鳥居を過ぎ、難しくはないけどスリリングな岩越えを経て、鉄梯子をよじ登れば御岳山に着く(G)。
ここからの景色は素晴らしい。古賀志山へ行くなら必ず立ち寄るべきと思う。

御岳山からわずかに古賀志山方面へ戻ると、岩場の陰に城山西小学校へ下る不動滝コースへの分岐があり、これに入って下る。

このコースは尾根下りという雰囲気ではなく、斜面をジグザグに下っていくコースで、途中でロッククライミングの練習場となっている大きな岩壁の横を通る。

その岩壁の先で、石祠が3つ並びになっている車道終点に出ると、あとは舗装道となって、赤川ダムからの車道に合流する。
ここには、「南登山道入口、瀧神社、古賀志山」の案内標がある(H)。

16時を過ぎたところで、何とか日没には間に合った。
ここからの文挟駅への車道歩きは、とても長かった。

約30分の待合せで日光線に乗り、今市駅で下車。
北へ歩いて日光街道へ出、セブンイレブンのある小倉町バス停から最終バスに乗り、榊里バス停で下車して無事車を回収できた。

今回の縦走は赤岩山まで歩く時間がなかったことが唯一の悔いではあるが、古賀志まででも歩き通せてとても満足できた。
たかが里山、されど里山・・・そう思わせるルートであった。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

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A
B
C
D
E
F
G
H



【ルートマップ】 (赤い線が今回通ったルート)






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