行者堂から前女峰〜モッコ平周回 | H18.6.11 |
昨年10月、大真名子〜小真名子山と抱合せで前女峰を登ろうと計画しましたが、運悪く日光初雪の日で歩き切れず、それ以来ずっと念願でした。関東も梅雨入りし、この日も天気が良くないのは承知していましたが、なかなか時間も取れないので、行ける所までという思いで出発しました。 |
(白糸滝入口・駐車地)4:37---(行者堂)4:45---(稚児ヶ墓)5:49---(白樺金剛)7:00---(八風)7:55---(黒岩)8:10---(箱石金剛・竜巻山)9:12---(前女峰)10:02/10:10---(唐沢小屋)10:24---(馬立)11:50---(大樺)12:51---(寂光滝)14:01---(二荒山神社前)14:36---(行者堂)15:02---(駐車地)15:16 |
@ | 最近は仕事が特に忙しく、山行もままならない状態が続いていたので、ある程度は天気が悪くても仕方がない、行けるときに行っておこうという気持ちで計画した。 土曜日は疲れが抜けず早起きできないので、山はどうしても日曜になってしまう。 土曜日(前日)は外山に登ってウォーミングアップだけしておいた。 女峰山には昨年3度登ったが、前女峰へは一度も行ったことがなく、検索しても登頂記録もなく、どんなところか想像がつかなかった。 無名の山だが、気になっていて、ずっと登りたいと思っていた。 また、女峰山へのルートは、これまで赤薙山南尾根経由、六方沢北尾根経由、帝釈山北尾根経由と、どれもまともなルートではなかったので、今更ながら行者堂ルート・寂光滝ルートの2つの王道ルートを使うことにした。 日光街道を神橋前のT字路で右折、稲荷沢に架かる橋の前で折し、滝尾(たきのお)神社方面への細い舗装道に入る。 滝尾神社の入口に小広い駐車スペースがあるので、ここに置かせてもらって歩行開始。 滝尾神社への石段には登らず、反対の南側へ石の敷き詰められた道を歩いていくと、神橋方面と二荒山神社方面との分岐となる。 ここは二荒山神社方面に進み、石段を登っていくと、すぐに行者堂に着く(@)。 お堂の横に登山者カードのポストがあり、記入して投函した。 石畳の道とはここで別れ、お堂の横から登山道となる。 まだ小雨がパラついている。果たしてこの先大丈夫かと思ったが、やめてしまっては次はいつ歩けるか分からない。天気予報は曇り。少なくとも大雨になる予報ではないだろうと考え、先に歩を進めていった。 さすがに知られたルートらしく、踏跡は明瞭。 緩やかな登りが続き、左から林道が近づいてきた(A)。 地形図の855m地点である。 登山道はこの林道に一旦出て、すぐに分かれる(道標アリ)。 植林の中の道を淡々と歩く。 先を眺めると、空は明るく見えた。雨は止むかもしれないと思った。 広い尾根に出て、程なく殺生禁断の石碑(B)。 周囲には何も無く、大きな石碑がニョキっと立っているだけだ。 その先から、地形図では道は二手に分かれることになっているが、そのような場所はどこにもなく、一本道だ。 ようやく標高1000mを越える。 笹原の中にカラマツが並ぶ明るい道を、ただひたすら進む。 傾斜は緩やかだが、ずっとダラダラ登りで、かなり単調。 行者堂から約1時間で、稚児ヶ墓に到着(C)。 地形図では建物があるような表記になっているが、地蔵が一体あるだけだった。 この先は、薙の東側に沿って進むようになっているが、相変わらず笹原の中を進む。 標高1350m付近で、水場の標識がある。 すぐ下に下った細い沢が水場になっているのだが、水量は細い。 ボトルを真横に傾けないと水が入らない程度だった。 雨がちなこの日でもこの水量だから、ここの水場は過信しないほうがよい。 水場を過ぎると、1397.2三角点付近が盛り上がって見える。 三角点を探してみたが、ヤブの中なのか、見つからなかった。 標高1450m付近に水呑の碑があるが、由来は不明。 周囲の石でかろうじて立っていて、触るとグラグラする石碑だった。 標高1500m付近が白樺金剛(D)。 といっても、看板があるだけだ。 白樺金剛からの登りは、やや傾斜を増してくる。 一旦止んでいた雨が再び降り出した。嫌な予感。 岩場の八風(E)を過ぎると、雨は強くなり、レインウェアを着ずに歩くのは辛い状態になってきた。 黒岩のピークは、岩にマーキングされたペンキの印に従い、巻いて過ぎる。 雲竜渓谷も見えないし、竜巻山方面の尾根も霧雨に隠され見上げることができない。 黒岩から先は、暗い樹林帯となる。 女峰山までは無理かもしれないと思ったが、何とか前女峰の頂には立ちたい。 尾根筋の南をジグザグに急登を終えると、再び笹原を進む。 悪天候で見通しは悪く、すれ違う登山客もいない。 尾根筋へ寄りながら登り、再び樹林帯の中へ入ると、箱石金剛に着く(F)。 看板の奥に小さな石祠があり、さらに少し奥の頂が2224P(竜巻山)だが、境界標以外は何も無い。 さて、前女峰へは、地形図上ではこのまま尾根筋を北へ進めばよいのだが、コメツガの密藪で進むのは容易でない。 少しの間、尾根上に獣道が付いているが、すぐにヤブに阻まれる。 登山道まで下り、右の尾根筋を気にしながら北へ進む。 登山道が北から北西に進路を変える場所では、登山道がちょうど尾根上に近づくので、ここから前女峰の南尾根に乗る。 取付いてすぐに、胴部分のなくなった石祠があった(G)。 さらに進むと、尾根の東は断崖。尾根の西はヤブ。 断崖をわずかに離れて、ヤブの中に獣道が付いている。 登るにつれヤブは濃くなっていくが、ヤブ漕ぎ経験のある人なら問題はないレベル。 雨が強まり、前女峰に立ったら下山しようと決める。 突然ヤブから開放され、岩場になる(H)。 さらに少し北に進んだところが頂上になる(I)。 念願の前女峰の頂に立ったが、悪天候で周囲は白の世界。 好天なら、さぞかし眺めは良いのだろうと感じる。 やはり来る人はいるもので、1本だけ赤テープがあった。 まだ10時、もったいない気もしたが下山することにした。 北西に尾根を下るのだが、これもヤブ尾根。 ジグザグに鞍部まで下ったら、等高線に沿って西へ進んで登山道へ合流としてもよいが、谷筋を唐沢小屋まで南西に直下降することにした。 谷筋にはさすがに踏跡はないが、方向さえ誤らなければ特に難しいことは無い。 窪みに沿って適当に下る。 さすがに深山の雰囲気がする。残雪もまだあった。 鞍部から10分も下ると唐沢小屋が見えてくる。 小屋の西側は深く抉れているので、箱石金剛からの道に一旦出てから小屋の前に出る。 小屋の中では、この悪天候なのに4〜5人のグループが昼食中だった。 中でひと休みしようかと挨拶だけしたが、ちょっと入り辛くて下山にかかることにした。 唐沢小屋からは、「裏見の滝・日光」「水場10分」の道標に従って下る(J)。 雨で路面はドロドロになっており、登り以上に歩くにくい。 水場は10分とのことだったが、20分要した。 雨で歩くにくかったことを割り引いても10分はキツい。 白樺金剛手前の水場と違い、水量は豊富だ。 水場で、単独行の方に追い抜かれた。 水場のすぐ先で沢を横切り、再びドロドロの山道を下って行く。 レインウェアはいつも億劫がって上しか羽織らないし、スパッツも何も付けないので、上半身以外は水浸しになった。 しばらく下ると、南東の沢で堰堤の造成工事の音が聞こえた。 その工事関係者を運ぶためのものと思われるモノレールがあった。 登山道も、南東面は階段や柵などが整備されている。 唐沢小屋から1時間半要して馬立に到着(K)。 道標に従い、「裏見−日光」の方向に進む。 沢を渡り、笹原の中の踏跡を進む。 程なく、小さな地蔵が一体鎮座していた。 天気が悪いのが残念だが、モッコ平はとても気持ちの良い笹原で(L)、じっくりかみしめながら歩いた。 踏跡は笹に隠され不明瞭なところもあるが、ポストマークが多くあるので問題はない。 途中で、サルの姿も見かけた。 見張り役の猿が、切り株の上に座って私の動きを警戒していた。 馬立から1時間の笹原歩きを楽しみ、裏見滝と寂光滝の分岐点(大樺)に着く。 道標に従い、寂光滝方面へ進む。 分岐から先も、マークが沢山あるので心配はない。 モッコ平と同じような笹原をしばらく進む。 ここまで下ってきても、雨は一向に止む気配がない。 今日の終日曇りという予報は大ハズレだな、などと思いながら淡々と進む。 大樺から1時間ほどで、沢の音が聞こえてきた。 寂光滝が近くなったのだと感じる。 寂光滝は一度来たことがあるが、この日は水量が多く、非常に綺麗だった。 しばし見入って、若子神社(M)の脇を通り、広場に出た。 これで、とりあえずは下山。あとは滝尾神社へ戻るだけだ。 寂光の住宅地の中央部北側から、地形図855m付近を通る林道へ抜ける破線が記されている。 雨の中を、また等高線の混んだ登りになるのは嫌だったが、行けるものなら行ってみようと住宅地北部へ行ってみたが、そのような踏跡は一切無かった。 掲示板でこの付近の各種ルート情報を提供して下さるHさんから、ここから稚児ヶ墓へ抜けるルートについて情報を頂いていたが、疲れもあり安全策をとって一旦二荒山神社へ出ることにした。 ズブ濡れの出で立ちで二荒山神社入口そばのコンビニで飲み物を買ったが、店員に怪訝な顔をされてしまった。まぁ、誰が見ても怪しいよな。 二荒山神社前まで来たら、石段には登らず、北西へ左折して大猷院廟方面へ少し進み、大猷院廟の入口手前から二荒山神社の西裾を縫うように石畳の歩道があるのでこれに入る。 やや歩きにくい石の道を緩やかに登り詰めると、朝通った行者堂に出た。 ここからは朝と逆に、石畳の道を下って行く。 女峰山を諦めたので、思いのほか早い時間の帰還となってしまったが、今回は仕方がない。 今度は再びの高薙山か、湖上山尾根か・・・梅雨が明けるまで待とうかな。 |
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