光徳から三岳経由で湯元へ古道を辿る H19.8.17


三岳林道を1.5km北上した場所に、湯元・光徳方面を示す、朽ちた古い道標があります。日光のド真ん中に、このような古い道跡があることに驚き、ぜひ辿ってみたいと思いました。特徴的な地形からなかなか訪れる機会のなかった三岳にも立ち寄りました。
(光徳園地横・駐車地)8:43---(学習院光徳小屋)9:00---(峠)9:40/9:45---(南三岳)10:10/10:25---(峠)10:44---(古道/三岳分岐点)10:50---(北三岳)11:50/12:05---(古道/三岳分岐点)12:45---(三岳林道)13:00---(広場)13:05---(国道)13:37---(湖畔バス停)13:55===(光徳温泉)14:32


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今回のコースは、古道の光徳側の基点がどこなのかが分からないのでどうするか迷ったが、地形図でも目立つ学習院大学光徳小屋から西へ向かうことにした。

日光アストリアホテルのすぐ先で左に入る道を行くと、光徳園地の横に駐車場がある
駐車場から50mほど奥へ進むと、公衆トイレと光徳小屋入口を示す道標があり(@)、ここが基点となる。

連日暑く、前日は最高気温の記録を塗り替えたというニュースもあったが、この日は比較的涼しいようだ。

砂利の車道を15分ほど北西へ道なりに進むと、光徳小屋が見えてくる(A)。
夏休み期間なので学生がいたらどうしようかと思ったが、誰もいないようであった。
ただ、小屋と隣接した奥にも家があり、管理する方の家か? 洗濯物が干してあった。

隣の小沢を、用心して渡る。
西へ樹林を進むと、南三岳山塊の壁に当たる。

壁沿いに西へ適当にフラフラと進むと、苔むした古い木道があった(B)。
これは古道の名残なのだろうか?
勝手に想像してしまうが、全然関係ないかもしれない。

谷筋は徐々に登り傾斜を増してくる。
水ポンプ施設らしき設備の前を過ぎると、谷筋は幅が狭くなる。

ここまで、踏跡らしきものは見当たらない。
木道から続く踏跡は、何もなかった。道標類も見当たらない。
所々、獣道が確認できるのみ(C)。テープは何ヶ所か見かけた。

地形図から受ける印象ほどキツい傾斜にはならず、獣道を追い、光徳小屋から40分ほどで平坦地に出て、その先であっけなく峠に到達した(D)。
峠には、朽ちて読めなくなった道標があった(E)。
この道標を見て、かつて道が通っていたことは間違いないと思った。

このまま三岳林道へ出てしまってはもったいないので、南北の三岳へ登ってみることにした。

まずは南三岳1752ピークへ。
北東の斜面に取付き、足場の良さそうなところを適当に登る。

30分弱で、山頂の東側に着いた。
一番高いところを探して山頂部を歩いてみるが、広い山頂部はコブだらけで、どれが本当の山頂になるのかが分からなかった。
地形図とは印象が違った。
南端のコブからは、南三岳の山々越しに中禅寺湖、樹林越しに湯ノ湖(F)が見渡せた。

峠へ下り、今度は北三岳三角点ピークへ行こうと思ったが、笹ヤブが濃いので、取付きポイントを探して西へ向かった。
笹の中の薄い踏跡は峠から最低部へは下らず、同じ高さをキープして山肌にそのまま続いていた。

1752ピークのほぼ真北へ来たかと思ったところで、小尾根を登っていく薄い踏跡を見つけた(G)。
この分岐点には、倒木(枝が3本地面に突き刺さっている)と赤テープがある。
ここから取付くことにした。

踏跡はやはり薄く、大木の根元で分からなくなってしまった。
ここまで来たら北へ直登あるのみだ。

笹のなるべく薄いところを選びながら、ジグザグに北へ登っていく。
20分ほど息を切らせて登ると、小さな岩峰ピークに出た。
頂上部は一面の笹原。
ここは、地形図でも三岳三角点の南西に臍のように記載されている。

その真裏から、さらに北へ直登する。
それまでの笹の斜面とは違い、倒木が多くて足元も緩くて難儀する。
30分ほどで尾根上らしき場所に出た。
帰りに分からなくならないように、黄色いヒモを2本垂らしておいた。

三角点は、まだ東のようだ。
倒木を除けながら東へ向かう。
所々にテープを見かけた。

10分ほどで、三角点に到達した(H)。
山頂は小広いが、展望は皆無。
三等三角点と、山名板が2枚あった。

ここで昼食にして、再び急斜面を下るべく西へ移動開始。
わずかに西北西へ進み、南西へ向きを変えるのだが、その通り進んできたような気がしても黄色いヒモが見当たらない。
どうも微妙にズレた場所を歩いてきたようだ。

あまり西へ向かうと北西への尾根に乗ってしまうので、適当に南へ下った。
一旦平坦部に出た。
そこは、先ほどの臍の岩峰ピークの西側だった。
行きよりもやや西側を下ったらしい。

あとは軌道修正して笹原を下り、先ほどの峠を西進したところの分岐点まで戻った。

分岐点から先は、踏跡は明瞭だった。
坂の急な場所には、階段状に木を埋めてあった(I)。
よく歩かれていた頃の名残か。

ルーファン不要でどんどん進み、15分ほどで三岳林道(廃道)に出た。
ここには、朽ちて落ちてしまい分かり辛いが「光徳」(J)、反対側は「湯元」を示す道標が落ちそうになっていた。

まだ時間もあるので、湯元方面へ進んでみた。
すると、すぐに緑の広場のような場所に出た(K)。
ただ、ここから先に進む踏跡が見当たらない。

仕方ないので戻ろうとしたところ、林道が来ているではないか。
あれ?と思い少し進むと、案の定、三岳林道に合流した。
時間をロスした気分になった。

あとは、林道をどんどん下るのみだ。
山を駆けていく鹿の姿を3頭ほど見た。

鉄のゲートを過ぎ、通行禁止用トラロープをくぐり(L)、30分ほどで、国道に出た。
湯元温泉の入口である。

車道を歩くのは嫌なので、兎島の周回歩道に入ってみたが、湖もろくに見えない何てことない道で、少しガッカリ。

車道が西へ鋭角に曲がる地点の先に、湖畔前バス停がある。
光徳まではバスで戻れる。とても便利だ。

ただ、バスは夏休みシーズンの最中で、遅れ気味の運行になっていた。
来ない来ないと思って待っていると、15分遅れて光徳方面からバスが来た。
さらに10分待って、折り返してきたバスに乗り込んだ。

光徳までは、約15分、400円であった。
いつもは尾根歩きがほとんどなのだが、たまには峠の古道を行くのも気持ちが良かった。

A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L


【ルートマップ】





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