栗沢峠から三峰山の先へ H17.12.29


@鹿沼市引田から鳴蟲山・大鳥屋山・白鬚山経由で大滝山、A栗沢峠から三峰山・石裂山・小川沢峠経由で大滝山、B粟野町口粟野からハナント山・粕尾山・横根山経由で大滝山・・・・・大滝山を基点とした前日光の尾根はとても広大で、いつかすべて歩いてみたいと思っています。@とBは踏破済みで、Aの栗沢峠〜石裂山間が未踏です。
今回は栗沢峠から三峰山を経て、その先の430.7三角点峰までを歩きました。
標高500m以下の低山尾根で雪はなく、快適に歩けましたが、三峰山から先は現在地の把握が非常に難しい尾根です。
(駐車地)10:31---(栗沢峠)10:35---(305.9P)11:46/11:50---(三峰山・三角点峰)12:58/13:15---(430.7P)15:38/15:45---(西ノ入林道入口)16:03
---(駐車地)17:46


@ 今年(H17)の冬は寒い。
昨年は大晦日に雪が降り、元旦に新雪の篠井富屋連峰を歩いたが、ここまで寒い日ばかり続くことはなかった。
日本海側や北日本では記録的大雪とのことだが、宇都宮〜今市あたりはとっくに降ってもよいのにほとんど降らない。
降らないほうが寒い、降ったほうが暖かいというのは本当のようだ。

そんなわけで、12月は備前楯山に出かけたのみ。
この日はかねてから歩きたいと思っては延び延びになっていた六郎地山南尾根を歩く計画を立てたが、仕事疲れで二度寝してしまい、あえなくご破算。
計画を変更してどこに行こうか・・・備前楯山も、10月の大真名子〜小真名子のときも雪に降られているので、積雪のない未踏の里山をということで、栗沢峠から石裂山への稜線を歩き始めることにした。

旭が丘の鹿沼運動公園を過ぎたT字路を右折し、すぐに堀の内バス停のあるT字路を左折して栗沢峠へ向かう。
栗沢峠のある道路は、鹿沼と粟野を結ぶ立派な道路になっており(@)、道路脇にある142.5三角点を見たかったのだが、車の往来が多いのであきらめた。

峠から鹿沼側へ少し下った路肩が広くなっているのでここに駐車。
峠の両脇は、立派な道路の擁壁があって直登はできない。
擁壁が斜めに途切れるところからよじ登って取付いた。

最初の10分ほどは急登だが、間もなくなだらかになって、すぐに235ピークに着く。
丸い丘だが、特に何もないのでそのまま直進。

尾根筋は綺麗に伐採が行き届いていて、歩いていて気持ちが良い(A)。
235Pからは、眼下にゴルフ場を見ながら北西に進み、境界標が2本(1本は抜けていた)あるピークからは谷をえぐるように西→北へと進む。
冬枯れの木々の間から、北側の339ピークの尾根が見渡せる。
この先無数の小ピークを越えていくが、概ね西に尾根を進んでいけば問題はない。

キツくはない上り下りを繰り返し、ようやく前方にキツい登り坂が現れた。
305.9三角点ピークへの尾根にぶつかる地点である。
そのまま登ってもよいが、305.9ピークに行くなら南西へ薄い踏跡の巻き道があるのでこれを辿る。
巻いてひと登りするとピークに着くが、三角点ピークはもう少し南へ進んだところにあった。

305.9ピークには四等三角点があり、4つの石に綺麗に囲まれている(B)。
頭上の小枝に、赤テープが巻いてあった。
暗くはないが、展望はまったくない。

ここから三峰山への尾根は分かり易いのだが、北北西→西→わずかに南南西と進んで、北西に転換する地点は、そのままわずか南の先のピークへ引き込まれやすいので注意したい。転換地点には赤いプラスチックの境界標(円柱)が立っている。

三峰山の姿は時折チラッと見える程度で、なかなかその全貌を現さないが、三峰山の南東部まで来るとハッキリと分かるようになる。
とんがっており、果たして人が登れるのかと思うようなピークだ。

地形図では、日渡路地区から谷筋を登ってくる道の記載があるが、明らかにそれと分かる踏跡は確認できなかった。

この日、もし積雪があっても良いようにと、冬用の靴を履いてきたのだが、やっぱり里山の小さなアップダウンの繰り返しには向かないようで、遅々として足が進まない。
厚く堆積した落葉に靴底が滑り、始末が悪い。

三峰山三角点峰に到着したのは、栗沢峠からすでに2時間以上過ぎてからであった。
丸く狭い、いかにも山頂らしい山頂で、東の鹿沼市街方面の眺めが良い(C)。
南側に、かなりくたびれた石祠がある。

三角点峰を後にして、東ピークに向かった。
鞍部からの登り返しは険しく岩がちで、なかなか登り応えがあった。
登り切ったところで南ピークへの道筋を確認したが、凄い急坂で、時間の都合もあり下る気にはなれなかった。
南ピークにも祠があると聞いていたが、パスすることにした。

東ピークは三角点峰よりも広く、大きな石祠があった(D).
その脇の木に多くの木札が括り付けられていて、読むとすべて小島さんという方が祀ったものらしく、各ピークに祠があることからしても、地元の信仰は厚い山と思われた。

さて、ここで13:30。尾根筋を進めるのはあと2時間がいいところ。
下山は、第一エスケープルートとして403ピークから梶叉へ至る尾根、できれば430.7三角点ピークから北へ下りたいと思った。

東ピークから北に下り、次のピークは北西に下る。
ここまでは把握していたが、その先は481ピークまでも地形図に現れない小ピークが多くあって、現在地が分からなくなった。

途中で、北か西かで迷う地点が2ヶ所あったが、いずれも西へ進んだ。
要所要所には、このコース全体を通じて写真Eのような境界標が立っているので、これを見かけなくなったらコースアウトと思いたい。

また、481ピークより先で、土台と屋根だけになった石祠を見かけた(F)が、これもどこだったのか把握できない。

ひたすら西へ尾根を進む。
歩き易い尾根だし、最悪は北でも南でも枝尾根を適当に下れば逃げられると分かってはいても、現在地が分からないというのは気持ちの悪いものだ。

403ピークも、どこがそれなのか分からずに過ぎる。

三峰山東ピークから1時間半ほど経過して、そろそろ日の陰りが気になり出した頃、尾根が西から北にカーブして、その北西にピークが3つ連なって見える地点にさしかかった。
それまでは周囲を見ても特徴をつかみ切れない地形だったが、これならどこか分かるだろうと地形図と睨めっこすると、430.7ピークの南東地点で、北西に見えるのは430.7ピークとその両脇のピークであろうと推定できた。

16時前に430.7ピークに着けばまだ何とかなるので、先を急いだ。
進路を北から北西に変えて、400m級ピークに着く。
さらに進路を西北西に変えて最後の追い込みの登りにかかる。

もうすぐ山頂!と思ったところで、思わぬ笹薮。
背の高い笹薮を掻き分け、ようやく430.7ピークに到着した。

ここには三等三角点と、アンテナの鉄柱が立っている。
山頂の周囲だけ、笹は綺麗に刈り払われていた。
展望はほとんどない。

さらに西へ続く尾根へ興味は尽きないが、もうここで時間切れ。
北東へ枝尾根を下ることにした。

北東に進んですぐに北西に別の尾根が派生している。
道なりに北東に進んだほうが近道だが、等高線が込んでいて急と思えたので、北西の尾根に入り、大岩を巻いてドンドン下る。

歩き易い尾根で、グングン高度を下げていく。
20分も下ると、沢が視界に入ってくる。
沢を渡ると、そこは予定通り西之入(廃村)地区奥の林道分岐地点であった(H)。

あとは、道なりに東へ進んでいく。
道は間もなく舗装道路となるが、南摩ダム予定地となった旧西之入〜栗沢にかけての廃村風景は寂しく、荒涼としている。

こういう風景の中には何か遺構があるものだが、ほとんど何もない。
あるのは、電線の引込み線くらいのものだ。
ただただ広大な空き地が広がっている。

旧梶叉地区には、浅間神社の山道入口があったが、踏跡はなかった。
廃校となった梶叉小学校の建物は取り壊されずに残っていたが、これがまた一段と寂しい。
この地区には、基礎跡だけ残された住居跡が認められた(I)。

上南摩地区の集落に入った頃には完全に日没となった。
室瀬地区から17時台のリーバスに乗ろうかと思ったが、もう少しなので結局栗沢峠まで歩いた。
運動不足の体には丁度良かったが、日没後の冷え込みは急であった。
A
B
C
D
E
F
G
H
I



【ルートマップ】






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