中山〜シゲト山〜黒檜岳周回 H17.7.17


中禅寺湖南域の山々にはこれが初めての山行になります。
意外と深山なのでは?という印象を持っていましたが、中山〜シゲト山の稜線はまさにその通りのヤブ尾根でした。
予定では社山まで足を延ばすつもりでしたが、時間切れで黒檜岳で下山となりました。
次回以降のお楽しみ、にしたいと思います。
(菖蒲ヶ浜・駐車地)6:58---(千手ヶ浜)8:15---(中山)9:49/10:05---(1581P)12:54---(1919P)14:15---(シゲト山)15:10/15:20---(1919P)15:44---
(黒檜岳)16:35/16:50---(1802P)17:23---(千手ヶ浜)18:38---(菖蒲ヶ浜・駐車地)19:37


@ まず、このコースを歩く場合、赤沼車庫発の低公害バスが断然お勧めです。
6〜10月の土休日は、赤沼車庫5:30⇒千手ヶ浜に朝6:00着の便があります。
http://www.kanayahotel.co.jp/nikko/traffic/odashiro-trma0022b.htm

いつも平日は遅くまで残業続きなので、なかなか早朝に起きることができない。
この日も、5時に起きるのがやっとであった。
上記のバスを逃した場合、次は千手ヶ浜8:30着の便になってしまうので、菖蒲ヶ浜から歩いたほうが早そうだった。

急いで身支度をしてR120沿いの菖蒲ヶ浜無料駐車場(@)に車を停め、出発。
右へ竜頭の滝へ行く道を見送り、左へ菖蒲ヶ浜へ行く道に入る。
企業の保養所施設が立ち並ぶ車道を下っていくと、中禅寺湖周回道の看板と、千手ヶ浜方面を示す案内標が立っている(A)ので、これに入る。

道はすぐに左に大きく折れて山肌に接するようになり、大きく右にカーブして中禅寺湖畔を進むようになる。
1420ピークの山肌はかなりの急傾斜で、湖畔沿いとは言ってもおだやかな岸辺歩きとは違い、湖畔を見下ろす斜面に沿って歩く感じである。
所々で危険な箇所があり、木の階段(B)や渡し道が設置されている。

1420ピークの山肌を回り込むと、赤岩である。
湖上から見ると相当大きな岩だということだが、遊歩道を歩いている限りは何てことない場所である。

赤岩を過ぎると、綺麗な入江になっている栃窪であるが、とくに看板等はない。
散歩途中の人達が、のんびりと岸に座っていた。

千手ヶ浜と菖蒲ヶ浜までの残りキロ数を示す案内標が所々に立っている。
遊歩道とはいえ、3.8kmの歩きはなかなか長い。
ただ、多少のアップダウンもあり、雰囲気も非常に良い道だ。

栃窪を過ぎ再び山の斜面を辿る道になり、しばらく行くと再び入江に出る。
ここは、熊窪という。
ここから、高山へのハイキングコースが分岐しており、コース解説の看板が設置されている。

長い遊歩道歩きを約1時間、ようやく千手ヶ浜に着いた(C)。
ここから見る男体山と中禅寺湖は素晴らしい。
売店もあるが、朝は開いていない。
舗装道が延びてきており、低公害バスに乗ればここまで来ることができる。

すでに8時を回っており、先を急ぐ。
千手ヶ浜を直進し、10分ほどで、右(西)へ西ノ湖への道が分岐(D)するのでこちらに入る。
この道を10分ほど進むと、林道との十字路となる。
西ノ湖へは直進だが、中山への取付きはここを左折し、林道を南へ向かう。

やがて林道が柳沢川を渡渉する地点に来ると、右(西)へ柳沢川沿いの林道が分岐する(E)。車は進入禁止になっている。
この林道で、鹿の群れを見かけた。

中山の東尾根の突端を避けるように、柳沢川は一旦北へ蛇行しており、林道もこれに合わせて蛇行している。
ここで林道と別れ、堰堤に向かって西へ直進する(F)。

この堰堤を渡ると、対岸にも荒れた作業道がある。
作業道を詰めていくと、右手に中山の東尾根が明瞭に視界に入り、先ほど渡った堰堤よりは幅の狭い、涸沢を渡る堰堤(G)があるのでこれを渡る。

渡った場所には、何やら消えかけた記号らしき数字が書かれた薄いブルーの木の標識があり、斜めに尾根に登る薄い踏跡がある。

取付いた東尾根は、中山へ向かうには最も一般的なルートだと思うのだが、所々にシャクナゲの密藪があり、山頂まで一切のテープ類は無く、中山そのものが著名な山ではないことを物語る。

途中で展望の開ける場所はまったくない。
かすかに中禅寺湖が見える場所があるが、それも木々の間からわずかに・・・である。

標高1450mあたりから傾斜は緩やかになり、中山の山頂は突然現れる。
御料局の三角点があり、山名板は1枚だけである(H)。
樹林に囲まれ、展望は無い。丸く狭い山頂である。

ここから先の1581ピークまでが、今回のコースのハイライトである。
コメツガは目立たないが、とにかくシャクナゲの密度が凄い。
こうなったら、逆らっても仕方がない。
丁寧に掻き分けて進む。

地形図を見ると、1581ピークまでは小ピークを幾つか越えていくようになっている。
ヤブが濃くて気付かないのだが、この尾根は意外と岩が多い。
頑張って小ピークを乗り越そうとすると、そこは大岩の上で、下は断崖になっている場所が2ヶ所ある。
こればかりは仕方ないので、戻って南を巻く。

時折、ヤブの切れ間から、右に西ノ湖が見える。
いつまで続くかと思えるヤブ漕ぎで、どこまで進んだのかも分からないが、まだ西ノ湖が見えるということは、時間のわりに進んでいないということになる。

ヤブも、掻き分けられるうちはいいが、掻き分けようも無いほどの状態の場所もある(I)。
左右にどうにか回り込んで突破していく。

予想以上の密藪で、行程の1/3も経たずして持参した水を半分消費してしまった。
南から聞こえる沢の音が気になってはいたが、ヤブ漕ぎで疲れているのに、沢まで下りてまた登るのも気が引けた。
しかし、このままでは絶対に持ちそうになく、1581ピークへの鞍部らしき地点で沢筋を覗きに少し下ったところ、眼下に水面が見えたのでたまらず下りて冷たい水を補給した。
かなり上流のはずだが、梅雨だからなのか水量は豊富だった。

右に見えていた西ノ湖も見えなくなり、ずっと登りになった。
ようやく1581ピークへの登りにさしかかったのだと思った。
すでに正午を回り、中山から2時間半経過している。
社山まで行くのは無理だな、と、この時点であきらめる。

1581ピークは南北に長く、南へトラバース気味に稜線に合流する。
ここから先も密藪だったら、シゲト山もあきらめなくてはならないと思ったが、この先はシャクナゲはグッと少なくなり、コメツガの大木が中心だったので助かった。

地形図を見る限りでは、標高1800m付近までは尾根幅は広いように思えたが、意外と尾根筋は明瞭である。

2ヶ所急登地点を越え、ようやく1919ピークに到着。
中山〜1581ピークまで3時間近く要した(水補給に下りたこともあるが)が、その後1919ピークまではその半分で達した。
それだけ、中山〜1581ピークのヤブは濃いということがいえる。

1919ピークには石の境界標があり、よく見ると「字シゲト山」と彫られてある。
ここから少し進むと、また境界標があるのだが、こちらはほとんど土に埋もれており、ちょっと分かり辛い。頭は苔むしている(J)。

この2本目の境界標から南の斜面を下るのだが、ここで西へ急斜面を下りてしまうルートミス。
1919ピークの先から南に下る斜面は広く、テープはあるがその通りに下らなくてもガケに突き当たるので、倒木を避けて適当に進む。

進路を西に変え、樹林を抜けて笹原を進むようになると、南に大平山と足尾方面の特徴的な山肌が視界に広がる。

緩やかに登り返し、そのまま西へ進むとシゲト山に着く(K)。
山頂というよりは、丘の上の通り道という趣である。
山名板が幾つかある。

黒檜岳へは、1919ピークまで元来た道を戻る。
とにかく、1919ピーク付近は幅が広いので、行きにチェックしたポイントでも見失いやすい。

先ほどの「字シゲト山」の境界標まで戻ったら、もう少し尾根なりに進み、コンパスを東に当てて行くと、スンナリと黒檜岳方面の尾根へ入ることができる。
この分岐点は何の目印もないので、とにかくコンパスが頼りになる。

黒檜岳への稜線上はシャクナゲが多く、展望を楽しむ爽快な尾根というわけにはいかない。
踏跡は薄いが、稜線のヤブを北側に避けるように踏跡が認められる。

踏跡が巻き道でなくなり、尾根筋を行くようになり、緩やかに登るようになると、もうすぐ山頂である。

山頂の手前の北の斜面に、雨量観測所がある(L)。
シャクナゲ林の向こうに、少しだけ展望が広がる。

山頂手前の小ピークで、踏跡はシャクナゲ林の南側に回り込む。
鬱蒼とした暗い樹林帯の頂が、黒檜岳の山頂であった(M)。
山名板は2枚ある。
ここは、本当に暗い。昼間でも鬱蒼としており、深山の雰囲気が漂う。

すでに17:00を指そうとしていた。
暑かったのも一転、風が吹き出し、上空でゴロゴロと雷が鳴り出した。
よく踏まれた千手堂跡への道を下ることにした。

地形図には、黒檜岳は標高が記載されていないのだが、その南東の名無しピークには1976mと記載がある。
このあたり、地形図も修正願いたいものだ。

南東ピークは、社山への道が分かれるが、ここにも黒檜岳の立派な案内標が立てられている(N)。
私はやはり地形図通りの鬱蒼としたピークを本来の黒檜岳と考えたい。

帰りは、明瞭な踏跡を北東に下る。
緩やかな尾根筋を1802ピークまで下る。
ここから北へ方向転換して、尾根筋を外れた急な斜面を下るが、道はジグザグに付けられていて歩きにくい場所はなく、シャクナゲ林の中を快適に下る。
雷で雨が一時的に降ったが、問題になるようなレベルにはならずに済んだ。

中禅寺湖が近くなってきた頃、「⇒」マークの地点から谷筋を進むようになり、ジグザグに急斜面を下ると細い沢を渡渉する。
ここで再び冷たい水を補給し、顔を洗う。生き返る思いがした。

落葉で見辛い踏跡を下り切ると道は平坦になり、ほどなく中禅寺湖の湖畔に出る。
ここには、黒檜岳方面を示す案内標が立てられている。

あとは湖畔を歩くだけだが、すでに18:00を回っており、途中で日没を迎えるのは必至である。
行きに歩いた遊歩道歩きだし、まあいいか、と割り切って歩く。

千手堂跡を過ぎ、湖に注ぐ沢を木橋で渡るが、ここから見る湖と湖岸の砂浜、男体山の風景は美しい(O)。

乙次郎橋を渡って行きに分岐した西ノ湖方面の道を合わせ、千手ヶ浜を過ぎたのは18:30。
あとはそのまま歩けるだけ歩いて、サーチライトを取り出して歩くしかない。
千手ヶ浜売店前に、鹿が群れていた。近づくとすぐに逃げて行った。

この日は、菖蒲ヶ浜の遊歩道入口からこれまで1人の行楽客ともすれ違っていない。珍しいこともあるものだ。ただ、この時間に遊歩道を歩く人はいないだろう。

赤岩手前で、サーチライト無しでは歩けなくなった。
行きも感じたことだが、3.8kmの遊歩道歩きは長い。

延々歩いて、右手に日光プリンスホテルの駐車場の灯が見えると、ようやく帰着を実感した。
車道に出て、菖蒲ヶ浜駐車場に戻ったのは19:30を回っていた。
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N
O


【ルートマップ】








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