西沢金山跡から高薙山周回 | H18.8.18 |
昨年6月に温泉ヶ岳と於呂倶羅山を絡めて高薙山を周回しましたが、水を切らして沢へ下りたり、於呂倶羅山で日没となりビバークになるなど、落ち着いた山行にならなかったので再度訪れたいと思っていました。 今回は、昨年は知らなかった西沢金山跡から金田峠へ至るルートを登りに使い、高薙山北東の1753ピークから派生する尾根を下りました。高薙山は、やっぱり深い深い山です。 |
(湯川橋・駐車地)6:32---(涸沢渡り)7:25---(小沢水場遡って渡渉)8:09/8:15---(金田峠)8:46/8:55---(1971P)9:45/9:50---(2193P)11:16/11:25---(高薙山)12:01/12:15---(1753P)14:56/15:03---(山王林道出合)15:50---(駐車地)16:02 |
@ | ここ最近は山に行ける日は雨天が多く、この日も早朝は小雨が降り続き、あぁ〜今回もか〜と覚悟しながら川俣湖沿いを走って山王林道に入った。 湯川橋は、ショートカットした位置に最近新しく架け替えられたようで、まだ目新しい。 橋の脇に路肩が広くなった場所があるので駐車した(@)。 身支度をして歩き始める。 現在の湯川橋は東西方向に渡って架けられている。 写真@の通り、渡った先は南(右)へカーブしており、さらにすぐ先で再びカーブして今度は北へ向かう。その東(右)側の路肩に、取り付ける場所がある(A)。 よく見ると石が積み上げられ、石垣になっており、西沢金山往時を偲ばせる遺構であろう。 石垣の上は、圧巻のお花畑であった。平坦で、かつての住居跡であろうか。 遺物かどうか定かではないが、朽ちた百葉箱だけがポツンと残っている(B)。 東奥へ進むと、再び古い石垣があって、これも乗り越えると、微かに踏跡がある。 踏跡は、尾根に取付いている。 この地点には、林道への落石防止金網を支えていると思われるワイヤーが何本もある。 取付いた小尾根を南へ進む。 わずかな距離ではあるが、綺麗な笹尾根であり、かつては道になっていたと推測。 すぐに平坦な広場となる。中央に、朽ちた木柱が立っている。 そのまま南奥へ進むと、またしても石垣がある。 ここも、かつての住居跡なのだろう。 石垣の東側の沢筋には作業道が作られていて(D)、これを利用して再び南へ進む。 途中で、ブルドーザーがドンと居座っている。 やがて作業道は東へ向かうが、ここは作業道を離れ、そのまま南へ沢筋を進んでいく。 やや不明瞭ではあるが、涸沢の西岸に沿って踏跡が付いている。 踏跡のすぐ西は、低い尾根がある。 尾根上に上がってみたくなるが、せっかく付いている踏跡なのでそのまま進む。 このあたりは、1/25000地形図『川俣温泉』に記載の「西沢金山跡」右下の「1550」の数字のすぐ左側の沢筋になる。 沢道が終わる頃、小さな涸沢を西へ渡る。 ここには、わざわざ木が2本渡してあり、最近も人が歩いていることを物語る。 涸沢を過ぎた後は、南西へ山腹に沿って歩くようになる。 踏跡は明瞭でないところもあるが、進路を失うほどでもない(E)。 しばらくく進むと、ガレた谷筋(於呂倶羅沢と思われる)に突き当たる。 ここを西側へ渡るのだが、ここには赤/黄のビニールテープが両岸に巻かれている。 谷渡りの後は、やや笹が深くなるが、わずかな間なので心配はない。 於呂倶羅山の北尾根の突き出しを回り込むと、笹も無い明瞭な踏跡の区間になって、古い木札が打ち付けられている木を2本見かけた。 進路は西から南へ変わっていき、しばらく歩くと沢が現れる。 ここは涸沢ではなく、水が流れている。 この沢を少し遡ると、倒木にテープが巻き付けられた場所があり(F)、ここで沢の対岸へ渡って西へ入る。 そしてすぐに赤/黄テープが現れ、今度は南へ登っていく。 登り始めると、また赤/黄テープがある(G)。 ここまで来ると金田峠は近い。 笹が深くなり、コメツガの木陰から金田峠へと飛び出す。 登りらしいキツい登りもなく、アッサリここまで来たことが不思議な感覚だ。 笹を掻き分け、尾根筋のやや南側に付いている微かな踏跡を拾って西へ進む。 刈込湖がよく見渡せる。 10分も歩くと、刈込湖へ下る道の入口(不明瞭だが何となく分かるハズ。入口にキラキラテープが巻き付いている)を見送ると、古い石祠を見かける(H)。 1971ピークは樹林の中で展望は無い。 テープが何本か巻かれている。 昨年は、水切れとなって沢へ下り、かなり疲れてここに復帰したことを思い返す。 鞍部から登り返しにかかり、あとは250m延々と登りになる。 急登が緩んで尾根の形でなくなってくると、2193ピークは近い。 振り返ると、刈込湖がまた違った姿を見せる。 ピストンで戻る場合は、分かりにくいのでここでの光景(I)をよく記憶しておきたい。 2193ピークは広いが、樹林の中で山頂からは展望は無い。 コンパスを北東へ合わせ、適当に進む。 所々で倒木が邪魔だが、ヤブ漕ぎではないので苦にはならない。 微かに踏跡も付いている。 次の2180m級ピークは、途中まで登ったところで東へ巻く踏跡があるのでこれで迂回する。 その次の2170m級ピークを超えると、シャクナゲのヤブが濃くなってくる。 少々迂回したところで、ヤブは楽にはならないので、構わず突進する。 山頂直前でようやく先を見渡せるようになり、すぐ近くに来たことを知る。 歩行開始から5時間半かけて2回目の高薙山に到着した(J)。 山頂は相変わらず狭い。展望も無い。 山名板は3枚並んでいる。 深い深い山にようやく到達したのだから、もっとゆっくりすればよいのだが、山頂そのものはとてもつまらないので、軽く腹ごしらえだけして先に進むことにした。 ここから先しばらくは、ヤブ地獄になる。 シャクナゲが密で、足場もままならない。 もしかしたらうまく巻けるのかもしれないが、尾根の両側は傾斜が急で、うまく逃げるルートは無いように思えた。 これまでの山行の中では、かなり厳しいヤブ漕ぎの部類に入る。 北東の2150m級ピークもシャクナゲが密で、ひと休みできるような場所ではない。 標高2000mを切るあたりから急坂となるが、このあたりの尾根もヤブが煩い場所がある。 尾根北側に踏跡が付いている場合が多く、これを利用するが、このあたりはただひらすら下るのみだ。 1772ピークの手前鞍部からは、南に大きな崩落(薙)を見る。 原生林の1772ピークを越え、笹原を登り返すと1753ピークに着く。 樹林の中なので展望は無いが、頂上には、古い境界標が埋まっていた(K)。 1753ピークからの下りは広いので、方角に注意しながら進む。 尾根に乗ってしまえば、あとは東方向へ方角を定めれば難しくはない。 この尾根を使う人もいるのか、白テープが何ヶ所か巻かれている。 地形図からはかなり急な尾根という印象を受けるが、歩きにくい場所は無く、思っていた以上に歩き易い。 薄いが、踏跡も付いている。 ドンドン下って高度を下げ、いつしか踏跡も濃くなり、山王林道を通る車の音が近くなる。 林道に出る前に、尾根の北側の谷筋に古い堰堤がある(L)。 これを脇から下り、涸沢をわずかに下れば山王林道に出る(M)。 出た場所は、カーブ注意の標識が2つ並んでいるカーブ地点であった。 地形図の1429m地点になる。 あとは林道を南へ進み、駐車地に戻った。 その途中で、西澤金山の栄華を語る古い説明板が路肩に立っていた(N)。 今回のコースは、高薙山北東の密藪地帯を除けば難しい場所は無く、短時間で周回できるルートだと思う。 |
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