野門〜帝釈山北尾根〜女峰山周回 | H17.7.2 |
かねがね、女峰山を栗山村側から登りたいと思っていました。 登れるけど人の少ないコースはないかとあれこれ思案していましたが、栗山村野門(のかど)から富士見峠へ向かう山道は、 途中で帝釈山北尾根を直登できることを知りました。 帝釈山北尾根は随所に踏跡が残っていますがヤブもあり、変化に富んでいます。 所要時間も私にはちょうど良く、素晴らしい山歩きができました。 |
作業道通行止地点・駐車地7:30---作業道舗装終点・布引滝遊歩道入口8:35---布引滝遊歩道分岐8:53---帝釈山/富士見峠分岐・金冷泉水場入口9:25--- 2147地点10:53---帝釈山12:03/12:25---女峰山12:55/13:15---帝釈山13:40/13:45---富士見峠14:34/14:40---1985地点15:23---1862地点16:04--- 帝釈山/富士見峠分岐・金冷泉水場入口16:25---布引滝遊歩道分岐16:51---作業道舗装終点・布引滝遊歩道入口17:04/17:11---駐車地17:56 |
@ | 女峰山は今年2回目になるが、赤薙山南尾根経由で辿った前回は曇り+霧で展望ゼロ。隣りの帝釈山さえ見通せなかった。 今度はぜひ好天時に登りたいと思っていたが、梅雨でなかなか天気予報も当たらず、行くチャンスを作れなかった。 6月はとうとう実行に移せなかったが、とにかく野門から歩いてみたかったので、天気はあきらめた。 大雨にさえならなければよいと割り切ることにした。 当日、何と寝坊してしまった。5時には歩き出すつもりで計画していたので、最初から暗雲立ち込めるスタートとなった。 帰りに、できれば、布引滝にも寄り道してみたかったのである。 野門橋を渡ってすぐに、南へ続く細い舗装路に入り、家康の湯方面へ向かう。 野門の集落を過ぎると壊れたゲート跡があってさらに直進。 しばらく舗装路を車で入ることができる。 標高1150mくらいまで来たところで、チェーンが掛かっていて通行止となる。 通行止地点は転回できる程度に小広くなっており、ここに駐車(@)。 歩き始めたときには、既に7:30になっていた。 1/25000地形図では作業道をショートカットするように破線が記されている。 道を探してみたが見つからなかったので、無理せずそのまま作業道を歩いた。 途中の直角カーブ地点に粗末な鳥居があった。 何か祀られているのだろうと思ったが、踏み入れずに通過した。 標高1374m地点付近の、作業道が2つに分かれる地点では、ジグザグを描く作業道をショートカットし、笹原の中を歩いた(A)。 標高1492m地点付近の作業道脇には、工事用モノレールのレールが放置されている。撤去するつもりはないのであろうか? 地形図通りに作業道(舗装路)は終点となる。 ここは布引滝遊歩道の入口にもなっており、テーブルとベンチが置かれた休憩所と、遊歩道入口の案内標がある(B)。 どうやって進入したのか、車が1台停まっていた。 遊歩道はとても明瞭だ。 地形図では真っ直ぐに破線が伸びているが、実際にはジグザグに尾根を詰めていく。 20分ほど歩いて、布引滝方面と富士見峠方面との分岐点となる(C)。 この分岐点から、滝が遠望できる。なかなか綺麗な滝だ。朝寝坊が悔やまれる。 分岐からすぐのところに山の神が祀られている。 そしてその10分ほど先には、何故か子育地蔵がある(D)。 道は、徐々に石がゴロゴロした滑りやすく歩きにくい道となる。 倒木をくぐって歩きにくい道を進むと、金冷泉水場入口に出る。 ここには案内標が何枚かあり(E)、富士見峠方面と、帝釈山方面と、金冷泉水場方面が示されているのだが、水場の案内標は折れて倒れており、どっちへ行けば水場なのか分からない。たぶん沢を詰める方向なのだろう。 この分岐点は、帝釈山方面に入る。 案内標の下部に、「元吉林道入口」と書かれているようだが、あるのは薄い踏跡だけである。テープを頼りに進む。 最初は頻繁にテープがあるのだが、10分ほどしてまったく見られなくなった。 道を誤ったか? とはいえ、南東へ進めば尾根筋に出ることは分かっているので、適当にヤブを掻き分けて進んだ。 樹林帯を縫うように高度を上げていく。 シャクナゲは思ったより少ない。ほとんど邪魔にならないと言ってよい。 コメツガも、かなり育ったものが多く、歩くのに支障は無い。 展望は利かないが、とても気持ちが良い。私が好きな類の尾根である。 傾斜はずっと緩やかだ。 2000mを越えたあたりから、ヤブが煩くなる。 通れないレベルではないので、落ち着いて進んでいけばよい。 2100mあたりになると、踏跡がハッキリと現れた(F)。 どうみても獣道ではない。登山道に類する明瞭な踏跡だ。 それまでの状況とは明らかに不釣合いな感じがする。 誰かが開拓したのだろうか。 踏跡は時々コメツガに隠されて見づらくなる場所もあるが、2147m地点まで明瞭についている。 そこから先は、コメツガとシャクナゲの密藪である(G)。 どうにか掻き分けて進むと、突然ガレ場が現れる。 ガレ場が危険なのは当然だが、ヤブよりはマシと思い、一瞬足を踏み出したくなる誘惑にかられるが、思い直してヤブを掻き分ける。 帝釈山の北直下の鞍部で、大岩に出くわすが、ジグザグに取り付けば越えられる。 ただ、足を滑らせると大変なことになるので慎重を期したい。 大岩を越すと傾斜は緩やかになる。そのすぐ先が、山頂だった。 帝釈山の山頂は思ったより狭い(H)。 太郎山や女峰山のような開放感は無いが、展望は利く。 大真名子山はガスに半分隠れていたが、小真名子山はハッキリと姿を見せていた。 ここで昼食にしたが、虫の多さには閉口した。 ここからは女峰山をピストンする。 帝釈山〜女峰山の稜線は、基本的には岩稜で、途中にはクサリ場もある。 女峰山のガレた頂が、ハッキリと見える(I)。 帝釈山から30分ほどで女峰山の山頂に着いた。 雨上がりでもあり、南側はガスが流れては消えの繰り返しであったが、栗山村側は素晴らしい展望であった。 期待すると裏切られそうだったので、天気は期待していなかったのだが、期せずして素晴らしい女峰山であった。 帝釈山に戻り、今度は富士見峠に向かった。 その下り道は、溝状にえぐられた歩きにくい道だった(J)。 時々巻き道を使いながら、1時間ほど黙々と樹林帯を下る。 途中で、年配の夫婦とすれ違った。すでに14:00。大丈夫なのだろうか? この日すれ違った登山者はこの夫婦だけであった。 天気予報が芳しくなかったので、登山計画を実施した人は少なかったのだろう。 富士見峠は小真名子山の登山基点でもあり、野洲原林道の終点でもある(K)。 行先表示の案内標と、林道終点を示す木杭がある。 その名に反して展望は無いが、広くて明るい峠だ。 吹き抜ける風が、とても涼しかった。 富士見峠からは、野門方面へ進む。 幅の広い砕石の道(L)で、路肩が崩れた場所もあるが、通過には支障は無い。 大きくジグザグに下っていくので、地形図を見てもちっとも進んでいる気がしない。 何故かドラム缶が2ヶ所で横倒しに放置されている。 車も入れないのに、どうやって何のために大きなドラム缶を持ってきたのだろう? それとも、昔、車が入れた頃に持ち込まれた名残か? 標高1955m地点のカーブを過ぎると、道は山道らしくなる。 登るでもなく、大きく下るでもなく、ただただ北へ進むのみ。 長く感じられる。 広い道と分かれて涸沢を渡った頃から、明らかな下り傾斜になってくる。 相変わらず踏跡は明瞭だし、このあたり、青ヒモが多いので迷うことは無い。 飽きるほど下ると、今朝通った帝釈山=富士見峠分岐(金冷泉水場入口)に出る。 あとは、元来た道を戻るだけである。 道は明瞭なので、ここからは地図を見る必要も無いだろう。 布引滝遊歩道分岐に戻ってきたのは既に17:00前。 これからでは無理で、あきらめて下った。 遊歩道入口(作業道終点)に停まっていた車は、もういなかった。 ベンチに座ってひと休みしたら、あとは舗装路を下るのみである。 無事、日没前に車に帰着できた。 大笹牧場経由で今市へ抜けたが、その頃には天気はすっかり曇りになった。 いい時に歩けた。 いつも天気には泣かされているが、このような幸運もたまにはあるのだ。 今回の山行は、コース・所要時間も私にはちょうど良かった。 ただ、帝釈山北尾根は尾根幅が広いので、下りに使うのは危険だと思う。 登りに使ってこそ、である。 最後に、このコースを教えて頂いたYoshiさんに、感謝の意を表したい。 |
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