大平山〜社山周回 H17.10.2


未踏となっていた黒檜岳(東峰)〜社山をどう歩こうかと思っていました。
阿世潟方面から周回すれば難なく一周できますが、足尾側から大平山を絡めて周回することにしました。
大平山直下は一面の笹原で、素晴らしい光景ですが、日差しを遮る場所が無いのも良し悪しで・・・
鹿がとても多いコースです。
(銅親水公園)6:18---(989P)7:22---(1179P)8:42/8:45---(林道出合)9:33---(大平山)11:33/11:45---(黒檜岳東峰)12:26---(1816P)13:29---
(社山)14:27/14:35---(1182.3P)16:08/16:15---(林道出合)17:10---(銅親水公園)17:35


@ 日足トンネルで細尾峠をくぐり、田元交差点から間藤方面へ入る。
間藤駅を過ぎ、左に旧精錬所の廃墟を見て、さらに直進。
民家が途切れた先で、道はゲートで遮断される。
下には銅親水(あかがねしんすい)公園の駐車場がある(@)。

5:30駐車場着。
ところが、ザックを背負い、さあ出発、というところで、カメラを持ってこなかったことに気付いた。
写真を残さない山行では寂しいので、神子内(みこうち)の国道沿いにコンビニができていたのを思い出し、元来た戻ったが、開店は6時からだった。
開店を待って使い捨てカメラを購入。再び駐車場に着いたのは6:15。
いきなりの痛い時間ロスとなった。

ゲート横をすり抜け、左折して久蔵沢を渡る。
取付く尾根は989ピークの南尾根で、大平山への稜線の最南端となる。
ここから、律儀に尾根通しに歩いてみようと思っていた。

道は、尾根南端を切り通して松木川沿いに回り込む。
道端の鉄柱には番号札が掲示してあって、14番の柱の場所から尾根によじ登る薄い踏み跡があったので、ここを取付き地点とした。

滑りやすいザレ肌斜面をひと登りで尾根上に出る。
工事設備の残骸があった。
今までの、いきなりヤブとなる尾根とは勝手の違う、ガレて痩せ尾根となった尾根筋を進むと、鹿除け用の金網が尾根を横断して張り巡らされていた。
鉄網は柔らかくグラグラしている。そのくせ破れはまったくない。
横にあった鉄柱に足を掛けて乗り越えたが、足を掛けられるものがないと、容易には越えられない代物だ。

尾根筋の地面にも、金網が張り巡らされている。
ここまでしないと崩壊を防止できないのだろうか。

さらに、その先はヤセ+ザレ尾根を、ネットに捕まりながらの歩きを強いられる。
ネットの西側を歩く。東側に移れば多少楽と思えるが、ネットはしっかりしていてもグラついていて、乗り越えることはできない。

工事用モノレール?の監視カメラの場所を過ぎると、再びネット越えとなる(A)。
ここは、下部が丸太になっているので簡単に越えられる。

ようやくネットから開放され、草原の急登の末に989ピークに着く。
山頂は狭く、古い境界標があるだけだが、遮るものが無いので眺めは良い。
1179ピークへの稜線が一望できるが、ここまでせっかく金網伝いのザレ尾根歩きをしてきたのに、鞍部まで一気に下りるのはもったいない気がする。

鞍部へも、ザレた急斜面で苦心しながらの下りとなる。
相変わらず、南西には中倉山方面の荒れた山肌、眼下には工事用の機械やコンテナハウスなどが散見できる。

鞍部から登り返すと、突然基礎跡が現れる(B)。
こんな強風で吹き飛ばされそうな尾根筋に小屋でもあったのか、信じられない。

1179ピークへ向かいジリジリ登っていくが、このあたりが一番日差しがキツく、木陰のある場所では休憩して、の繰り返しで歩いた。

山頂直下の登りは、なかなかキツい。
草の中にできている踏跡を辿り、約100mほど一気に登る。
山頂には、草の中に四等三角点があった(C)。

1179ピークから先は、所々樹林も現れる。
もう、紅葉がだいぶ進んでいた。

緩やかな登りが続き、1356ピークの手前で突然林道に出る(D)。
地形図ではかなり手前で林道は切れているのだが、実際にはここまで延びてきていて、尾根を回り込んでさらに先へ続いていた。
路面の状態は良く、車の通行に支障は無いようだ。

林道を回り込み、よじ登って再び尾根に取付く。
監視用のカメラが設置されていた。

樹林に囲まれ、やや暗い笹原を登り詰める。
笹は膝下だったり胸まであったりの繰り返しである。

そのうち、再び遮るものの無い明るい笹原となる。
木は、立ち枯れたものが多くなる。
ここからが、この尾根のハイライトである。
振り返れば足尾の谷、先には1805ピークが高く遠くに聳える。

1時間ほどゆっくり歩くと、地形図にはないうねりの多い場所に出る。
登ってくると、いったいどこが1805ピークなのか分からないが、一面の広い笹原に溜息の絶景だ(E)。

このあたりで初めて大平山まで見通せるようになるが、まだまだ遠い。
1805地点から先、地形図では尾根筋はわりとハッキリしているが、実際にはウネウネした地形が続いてよく分からない。
大平山の南西部を目指して、適当に高みを目指して登っていく。
相変わらず、一面の笹原だ。
どうやら、コブを避けるように、尾根筋の南西側に踏跡が付いている。

大平山の南西部まで登り詰めると、そこで笹原はせき止められ、北側は樹林帯になっている。
小ピークを越え、その先が大平山である。
日差しの強さが堪えたこともあるが、取り付きからここまで5時間以上を要した。

山頂には、山名板が何枚かある(F)。
三角点は、笹の中に隠れるように、少しだけ頭を出していた。

小休止して、黒檜岳方面に向かう。
本当は真っ直ぐ社山に向かいたいところだが、社山から、千手ヶ浜からの道が合流する黒檜岳の東峰までの間が未踏になっていたので、黒檜岳東峰までピストンすることにしたのである。

大平山からの尾根筋は広くなるが、笹原で見通しが利くので、分かりにくいということはない。
1854ピーク地点で、北北東から東北東に向きを変えるが、このあたりは踏跡はほとんどなく、適当に進む。方向さえ間違っていなければ大丈夫だ。

そのまま明るい東北東に進んでも良いのだが、近道をするために再び北北東に向きを変えて、樹林帯を進んでみる。
黒檜岳〜社山の踏跡に、どこかで合流するはずだ。
程なく、見慣れた四角マークと踏跡が現れた(G)。

あとは、樹林帯の中で薄い踏跡と、マークを拾ってドンドン歩く。
右往左往する形で、踏跡とマークは付けられている。

緩やかに登りに転じ、千手ヶ浜からのルートとの合流点に到達(H)。
これで、中宮祠〜錫ヶ岳〜国境平までの尾根歩きが貫通した。
ここには、黒檜岳の看板もあるが、本当の黒檜岳山頂はさらに西に進んだピークである。
黒檜岳まで行こうかと考えたが、すでに12時を回っていたのでやめた。

元来た道を戻る。
写真Gの合流点まで戻って、さらに踏跡を辿って進むと、間もなく「黒檜岳=社山」の案内標が立っていた(I)。
先ほど、1854ピークからそのまま東北東に進んでいれば、ここに出ると思われる。

ここから社山への尾根は、開放感十分、笹原の素晴らしい道となる(J)。
マークは少なくなるが、迷いようも無い。

やがて、北側は中禅寺湖を見下ろすようになる。
北は湯元、はるか南は足尾を同時に見下ろせるところもある。

1816ピークは南を巻く。
1792ピークを経て社山までのジグザグの稜線が一望できる。
1816ピークからは、再び「黒檜岳=社山」の案内標を見て、笹深い踏跡を北東に下っていく。

1792ピークは、狭い笹原のピークだが、やはり眺めは良い。
ここから南東に下るが、1760mピークへは登らず、鞍部から東へショートカットするように踏跡は付いている。

ガレ場を見てさらに東へ登っていくと、三たび「黒檜岳=社山」の案内標を見る。
ここから社山までは、7月に中禅寺湖松ヶ崎から登ってきたときに歩いているが、そのときは霧が濃く何も見通せなかった。
今回は素晴らしい天気だ。

ガレた社山手前鞍部を過ぎ、本日最後の急登となる。
ここから一気に100m登る。
笹原に付いた踏跡を登っていくと、樹林帯に変わる。
大きな石がゴロゴロした急登が続く。
マークを良く見て登っていくと、突然社山の西側に出て、視界が開ける。

5分ほど東へ歩けば、社山山頂である(K)。
7月は霧で何も見えなかったが、今回は足尾方面がよく見える。
北側は、樹林で見通しは無い。

下山は、南尾根を辿る。
笹とダケカンバの見通しの良い尾根を下る。

下りの途中で1568ピークが見通せるので、安心できる。
1568ピーク手前の鞍部は、西側がガレた谷になっていて、何故か黒いホースが通っている。
元々埋まっていたのだが、斜面が崩れてむき出しになったようだ。

1568ピークは、鞍部から東にトラバースする踏跡があるので、こちらを辿る。
踏跡は明瞭で、再び尾根筋と合流する地点には、カラマツの改植を記した倒れかけた鉄柱が立っている。

カラマツ、ダケカンバ、松の、傾斜の緩やかな気持ちの良い広い尾根が続く。
傾斜がやや急になってくると、捨てられたワイヤーを見て、さらには崩壊したトイレ小屋を見る。

さらに、ダラリダラリと下っていくと、再び黒ホースを見て、木の根元に「下山は右へ」と記された白い看板がある(L)。
ここから右手にわずかに進むと、木に赤リボンを見て、急坂を下る。
気が付かなかったが、明瞭な踏跡が、看板より手前からショートカットするように付いていた。

下りが緩やかになると、視界が開ける。
黒ホースが、再び現れる。
このホースといい、トイレ小屋といい、以前この山域で、かなりの規模で何かが営まれていたのだろう。

時々わずかに向きを変えながら、南へ下っていく。
足尾の谷が、少しずつ近くなってくるのが分かる。

標高1200mあたりで南南東→南南西に向きを変え、ススキを掻き分け、1182.3ピークに着く。ススキの中に、三角点と、紅白ポールが立っている(M)。

ここから南南西に進み、しばらくは平坦だが、突然尾根の終わりと思える急傾斜地点に出る。
ここは気にせず南に下る。わずかに踏跡があるのが分かるだろう。

急坂を下り切ると、再びダラダラと下っていく。
このあたり、あまり展望は利かない。

1012ピークには、久蔵雨量観測所の建物がある。
さらに南進すると、観測所巡視路の案内標(N)が、北東へ斜面を下るよう示している。そのまま尾根を南進するか迷ったが、尾根の南端が急で下れないケースを想定し、ここは安全策で巡視路を下ることにした。

ただ、この巡視路もあまり踏まれることはないようで、山肌を危うくトラバースするような微かな踏跡があるだけである。
徐々にジグザグに下っていくのだが、方向転換地点には案内標が立っているので何とか迷わずに歩ける。

途中で、小沢に出る。もうすぐ下山だが、ここで水を補給。
そこからは小尾根を下るようになる。

巡視路の案内標は相変わらずジグザグに下れという指示だが、下は先ほど渡渉した沢筋で、どう考えてもそのまま小尾根を下っていったほうがいいような気がする。

案内標を無視して、そのまま沢筋の南側の小尾根を下ると、5分もしないうちに林道に飛び出した。
林道が小沢を跨ぐ場所には、小さなコンクリート橋が架かっていた。

巡視路の入口はどこなのかと周囲をウロウロしてみると、30mほど上方であった。
ここを登りにとる時は、小沢のコンクリ橋を渡った地点から、小尾根を西へ登って、途中から合流する巡視路を辿ったほうがよい。

あとは、林道を下るのみである。
間伐材利用促進の大きな看板を過ぎ、安蘇沢の林道と合流。
さらに南進すると、朝登った989ピーク南尾根が視界に入る。
たった半日なのに、何故か懐かしく感じられた。

大平山に昼前に着いたときは、時間には余裕があると思っていたが、銅親水公園に戻ったときは、すでに周囲は暗くなりかけた17:30過ぎであった。
この日は、遮るものの無い足尾の山懐を満喫した一日であった。
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N


【ルートマップ】 赤い線が今回のコースです






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