お天気山〜羽賀場山 H17.2.27


3週間前、かまど倉から標高の低い尾根を羽賀場山まで歩きましたが、朝寝坊だったのでお天気山までは歩けませんでした。
もう1度羽賀場山に登ってからお天気山へ行ってもよかったのですが、お天気山から先の尾根が地形図を見る限りは絶壁と思えたので、これを下るのは無理と判断し、小来川からお天気山経由で羽賀場山へ向かうことにしました。結果的にはこれが正解でした。
山口橋・駐車地6:40---525ピーク7:33---お天気山11:07/11:25---777ピーク11:53---羽賀場山13:12/13:30---日蔭山林道出合15:18---日蔭橋15:45---
山口橋・駐車地17:12


@ 山口橋から上大久保へ至る舗装林道へ入り、少し入ったところの右手(西側)の樹林の中に駐車スペースがあったのでそこに停めた。

再び山口橋方向に戻り、黒川の南岸を未舗装林道が延びているのでこれに入る(@)。
ここが尾根の取付き地点となる。

杉林に囲まれた雪混じりの尾根を10分ほど急登すると、緩やかになってくる。
季節柄かもしれないが、ヤブらしいヤブはなく、里山尾根にしては歩き易い。
小さなアップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を稼いでいく。

里山尾根のほとんどがそうであるように、この尾根筋も展望は望めない。
うっすらと積雪のある尾根を順調に歩を進め、525ピークへ着く。
展望はないが、屋根の角が欠けた石祠がある(A)。

525ピークからは、緩やかで明瞭な尾根筋を快調に進む。
道中が快適であればあるほど、お天気山のあの絶壁と思える北面が登れるのかばかりを考えるようになる。

やがて、急登となる。
一気に100m程登り詰め、とあるピークに着くが、地形図には標高点の記載も無い。

この辺りから、北側に作業道が並行するようになる。
作業道には残雪が多く、尾根筋を歩いていたほうが歩き易そうだった。
しばらく並行した後、作業道は尾根を跨ぐ(B)。
作業道には惑わされずに、あくまで尾根筋を進んでいく。

しばらく進むと、雪が消える代わりに岩稜となってくる(C)。
突如として大岩が現れぬよう、祈りながら歩を進める。
岩の突起に手を掛け足を掛けの急登を経て、お天気山の北東ピークに着く。

ここから眼前に見るお天気山は、やはり絶壁であった(D)。
絶壁でも高低差があまり無ければよいのだが、高低差も十分だ。
直下まで行ってやはり登れそうに無ければ、多少等高線間隔が緩む北東面へトラバースすることに決める。

北西ピークからお天気山への鞍部への下りも、高低差こそないが、まるで崖を下るようである。
鞍部からそのまま南へ進むと、何と断崖で尾根筋が落ち込んでいる(E)。
一歩も進めなくなってしまった。
そのまま取付ければひょっとして登れるのでは・・・という甘い期待はここで吹き飛んだ。
とはいえ、断崖下まで回り込んで再び取付けそうにもない。

ここは、鞍部まで回り込んで、北東面へトラバースするしかない。
雪で滑りやすい斜面を鞍部まで戻った。
鞍部から東南東へ向かい、植林地帯へ回り込むのだが、植林された木々はかなり育っており、視界が利かず、さらには膝まで埋まる積雪で前進もままならない。

10分ほど急斜面を回り込むと、ようやく植林が切れたが、そこから見上げる斜面もなかなか急峻で、誤算は岩肌にへばり付いた雪であった。
北側は、多少東寄りに回り込んだだけでは、まだ解けてはいなかった。
かといって、再び深雪をラッセルして鞍部まで登って戻る気はとてもしない。
後日、このルートを辿った烏ヶ森の住人さんは、鞍部から雪の少ない南西面へ回り込んだが、そのルート選択が大正解であった。

とりあえず、引き返せるギリギリまでアタックしてみようと決めた。
まずは取付けそうな枝尾根に上がってみたが、これがとんでもない密藪。
しかし、この枝尾根を詰めて行くしか手は無い。
枝を掻き分け、慎重に登って行った。
コンパスは南西を示している。方角に誤りは無い。

20分ほど密藪を急登すると、視界が開けた。
そこに見たものは、岩肌を登り詰めるのを拒否するには十分な雪がへばり付いた急斜面であった(F)。
ただ、救いは、それでも生木がチラホラあることだった。

引き返すならここまでであったが、斜面の上にはお天気山の東鞍部がすぐそこに見えていたことが、登りを決心させた。
シュリンゲをすぐ取り出せる状態にして、木に捕まりながらゆっくりと登っていった。

写真にもある谷筋を詰めていけば簡単だったが、あいにく谷筋には捕まるに適したまともな木が少ないのであきらめた。
谷筋を挟んで東側には、もうひとつ枝尾根があったが、雪の状態からしてそこまでトラバースすることも無理と思われた。
よって、登れるかどうかは、お天気山へ直登できるかどうかに懸かった。

生木伝いに登るだけで、どうにかあと30mくらいの地点まで来ることができた。
だが、そこからは岩の張り出し段差に足を掛けて登るしかなかった。
しかし、その張り出しには雪が積もっていて足場を確保するのも容易でない。
右足から左足に掛けかえるのもままならなかった。

慎重に慎重を期して登り詰め、ここを越えれば明らかに傾斜が緩むというところで、木に頼るだけでは越えられない地点に当たった。
頭上の太い生木の根元にシュリンゲを回し、グルグル巻きにして一気に登った。
そこは、お天気山の山頂広場の北端であった。

シュリンゲを外し、ヘトヘト状態でようやくお天気山に到達。
まだ昼前だったが、もう夕方になったような気分であった。

三角点は置かれていない山だが山頂は広く、立派な案内看板と石祠があった(GH)。
展望は少なく、羽賀場山方面がわずかに見渡せるだけだが、明るい。
山頂での一服は格別であったが、冬季にはお天気山の北面には来るものではないと誓った。
充実感というより、自分の無理な登りを反省した。

もう下山してもよい気分だったが、時間はまだあるので予定通り羽賀場山へ向かった。岩峰が続く尾根らしく、途中で通過するピークも急峻で、ことごとく巻くように踏跡が付いていた。
尾根筋は、雪で真っ白だった(I)が、先客の踏跡はあった。

雪で滑りやすい斜面のアップダウンを繰り返し、羽賀場山へ到達(J)。
ここも3週間前と大差は無く、雪で一杯であった。
踏跡だらけで、雪は薄汚れていた。

帰りはお天気山方面へ少し逆戻りして、600ピークを経て大原へ向かう北尾根を選択した。
この分岐点には高さの違う境界標が2本立っているので目印になる(K)。

この尾根筋には雪上に踏跡は一切無い。
歩きにくいということはないが、痩せ尾根なので気を遣った。
急坂になったり平坦になったりの繰り返しで、どこが600ピークなのか分からなくなってしまった。

ドンピシャで日蔭橋に下るには、600ピークと日蔭橋の中間地点ピークで一旦北に下って尾根を乗り換えるのだが、どこがその乗り換えピークなのか分からない。

多分ここだろうと、北へ下り易い尾根が派生しているピークから北へ下ったが、どこまで進んでも北東へ尾根が派生しない。
ああ、間違えた・・と思ったが、かなり疲れていたのでそのまま進んだ。
いずれにしても、北へ進んでいれば日蔭山林道へ下り立つことだけは間違いなかった。

進路はやや北西となり、淡々と下っていくと作業道に出た。
その作業道を少し進むと、林道に出た。そこは、日蔭山林道と、日蔭山林道支線の分岐点であった。

ここからは西へ進めばよいのだが、黒川を渡渉できる地点がなさそうだった。
遠回りになるが、確実な方法を選択して日蔭橋へ向かうことにした。
車道歩きが長くなるが、仕方がない。

日蔭橋を渡って大原地区に入ったときには、すっかり夕方になっていた。
大原のバス停で時刻を見たところ、あと50分待てば小来川方面へのバスが来ることになっていた。
乗りたかったが、お天気山の登りで泥だらけになっていたので、結局山口橋まで歩いて戻った。

今回の山行は、今後の山歩きに大きな影響を与えることになった。
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K


【ルートマップ】







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