六方沢北尾根〜女峰山〜赤薙山 H17.7.30


5月に赤薙山南尾根からのルートで女峰山を歩くべく検討したとき、この六方沢北尾根が目に付いた。
キスゲ平〜奥社跡の人通りの多い人気コースを避け、静かに辿れそうなこの尾根は、ぜひ歩いてみたいと思っていました。
展望は期待できそうにない気がしていたので、陽差しのない曇りのこの日に歩きました。
曇りどころか濃霧で、夕方は雷雨に遭う散々な天候でしたが、遅い出発でもどうにか辿れたのでひと安心でした。
(六方沢橋北側・無料駐車場)9:00---(2209P)12:16---(女峰山)13:56/14:10---(奥社跡)15:45---(赤薙山)16:27/16:35---(キスゲ平)17:27---
(八平ヶ原)18:08---(六方沢橋南端)18:22---(駐車場)18:30


@ 一旦は朝4時に起きたが、仕事疲れの抜けない土曜の早朝の起床は辛い。
やはり睡魔に勝てず二度寝してしまい、起きたのは7時。

途中で時間切れなら女峰山まで行かずに引き返すつもりで家を出た。
天気は良くなかったが、霧降高原道路に入っても霧は薄かった。

霧降のリフト乗り場前を通過し、丸山の北東尾根を回り込み、大きく深い六方沢橋を渡ると、東にカーブしたすぐ先に無料駐車場がある(@)。
ここを今回の駐車地とした。

駐車場から少し進むと、道路脇の擁壁が途切れる。
ここから尾根に取付ける(A)。

尾根筋は膝元までの一面の笹原で気持ちがよいのだが、雨上がりなのでズブ濡れになる。
標高1600mくらいまでは緩やかに登る。
徐々に尾根は痩せてきて、登りらしい登りになってくる(B)。
人が歩いた形跡は見当たらないが、獣道はうっすらと付いている。

標高1800mあたりで、笹原は突然終わり、鬱蒼とした樹林帯に突入。
傾斜は、まだ喘ぐほどではない。

標高1900mあたりからは、コメツガが密生しており、ヤブ漕ぎとなる。
獣道を見失わないように丹念に足元を注意しながらコメツガを掻き分けていく。

標高2000mあたりは、柔らかい苔の塊で崩れそうな足場に注意しながらの急登となるが、長くはないので落ち着いて登っていく。

この急登を終えれば、手強い登りはない。
コメツガのヤブも、徐々におとなしくなる。

この尾根の救いは、始末の悪いシャクナゲが思ったより少ないことである。
枝に柔軟性のあるコメツガなら、漕ぐのもさほど苦ではない。

2209ピークに近づくと、ガレ尾根となっている箇所を2ヶ所通る(C)。
足場に注意しながら進む。
先には2209ピークが望める。

2209ピーク直下は、地形図では等高線が込み合っていて、かなりの急登と思わせるが、歩いてみるとそうでもない。

平坦部に達したら、西に5分ほど進むと、奥社跡からの登山道に合流する(D)。
日光連山では見慣れた四角いマークに妙な安心感を覚える。
3時間強でこの尾根を無事登り切った。

あとは、踏跡は明瞭で、5月に歩いたコースでもあり、ひたすら歩くのみである。
霧はまだ濃くはない。

一里ヶ曽根の標柱と石祠の置かれた2295ピーク(E)に来ると、霧が目立ち始めたが、まだ13:00前である。
ここまで来たら、是が非でも女峰の頂には立ちたい。
2318ピーク先の岩場までは樹林帯の緩やかなアップダウンであり、そこまで歩いてからまた考えることにした。

2295ピークからの下りで、この日初めての登山者とすれ違った。

下り切った鞍部から登り返したところが、水場入口である(F)。
水場は、3分も歩かないところにあるので、水筒の残りに余裕があっても、是非寄っておきたい。冷水がノドに染み渡る。

南西に方向転換する2318ピークを過ぎ、しばらく行くと、砕石をジグザグに登るようになる。ここから、女峰山の全貌が視界に入る。
霧に煙っているが、風があって、立ち込める感じではない(G)。
これなら、頂を踏めると感じた。

岩壁の襞をよじ登る箇所を過ぎると、女峰山お馴染みのハイマツ帯となる。
トンボの大群が行ったり来たりしている。
この日2回目の登山者とすれ違う。

山頂手前の風化した三角点(2463.5m)を過ぎ、間もなくで女峰山に到達した(H)。
丁度、山頂は霧が途切れた状態だった。
社の少し先が、本当の山頂(2483m)である(I)。

この頂に立つのは、これで今年3回目になるが、山頂の標柱が新しいものに変わっていた。
展望は、まったく無い。
隣りの帝釈山も見渡すことができなかった。

14:00を回り、これからの行程と天候を考えるとゆっくりはしていられず、赤薙山目指して元来た道を戻りにかかった。

砕石地帯を過ぎ、樹林帯に戻り、2318ピークの手前まで来たところで雨が降り出した。
再度水場に寄る。
2295ピークに戻ったが、やはり霧で展望はゼロ。

2209ピークまで戻ったのは、15:30であった。
下山には十分間に合いそうだが、あわよくば寄るつもりだった丸山は、どうも無理そうだ。

2209ピークから鞍部に下る。ここは、いつも滑りやすい。
5月に歩いたときは、残雪がまだ一杯で、鞍部に赤薙山方面を示す案内標があるのも初めて知った。

登り返した2203ピーク(奥社跡)にも、新しい標柱が立てられていた(J)。
どなたが設置して下さるのか、黒檜山を歩いたときに見かけたものと同じものである。

2203ピークから赤薙山までは、岩場を縫うように歩くミニアルペンルートである。
霧がだんだん濃くなってきて、尖峰1983ピークの姿を拝むこともできない。
ゴロゴロと雷が鳴り出し、雨が強くなった。

焦って足を滑らせないよう慎重に歩き、キスゲ平への旧道を左に見送って間もなく、赤薙山へ到着。16:30である。
ここは元々展望は望めないので、一服してすぐに出発。
ここから先は、初めて歩くコースである。

東へジグザグに急斜面を下っていく。
標高1850mで突然平坦になり、樹林帯から一面の笹原に変わる(K)。
霧で霞んでいるが、丸山の姿が薄く見えた。

ここからキスゲ平までは、踏跡が幾条にも乱れて付いているが、方角さえ間違わなければどれを歩いても同じである。

砕石がゴロゴロした「焼石」を過ぎる。
木の柱が等間隔に立つ広い尾根道をグングン下っていく。
丸山の姿は、霧にすっかり隠された。

笹原の中の歩きは、雷鳴が聞こえる中ではなかなか怖い。さっさと歩く。

丸山への道を分けると、その眼の前がリフト終点の小丸山である。
この周辺一帯がキスゲ平であるが、花の季節はもう終わってしまったようだ。

リフト乗り場入口は、すでに閉ざされている(L)。
下山道の案内に従い、滑りやすい道を下る。

小丸山の小さな手製案内標を2ヶ所過ぎ、ジグザグに急降下していく。
やがて、霧降高原道路と、駐車場が視界に入る。

第4リフトの麓まで下り、そこからもう少し進むと、八平ヶ原へ向かう道が分岐する。
このまま第3リフト入口まで下ってもよいのだが、日没までは十分間に合うと判断し、八平ヶ原経由で六方沢橋南端に直下降することにした。

分岐から八平ヶ原へ向かう道を北へ向かう。
石がゴロゴロした道を登るので、踏跡らしい踏跡は無いが、コース脇にはロープが張られているのでコースを見失うことは無い。

道は山の斜面をトラバースするように続き、分岐から20分ほどで八平ヶ原に出る。
一面の笹原で、晴天ならとても爽快な場所だ。

案内標の立つ場所で、道は北から西に向きを変えるが、ここでコンパスを北へ定め、笹原を進んでいく(M)。

緩やかな斜面が急斜面に変わるのが分かる頃、前方に六方沢橋を見下ろすようになる(N)。
平坦斜面と急斜面の境界の場所は、何の名残なのか舗装された区画がある。
ここから、谷状に窪んだところをゆっくり下る。
わずかにではあるが、踏跡が付いているようだ。

斜面は下を見下ろすと急だが、下るには問題のないレベルである。
ただ、下り立つ寸前で問題発生。
六方沢橋の見物客が、下に居座っているのだ。

人が通るはずのないガケ斜面から人が降りてきたら、かなり驚かせてしまうし、何者だろうという目で見られるのも気が引ける。

斜面の途中で10分ほどジッとしていると、見物客は気づかないが、橋を渡って霧降へ向かう車からは丸見えで見られてしまう。
行き場を失ってうずくまっている人に見えてしまわないか、気が気でなかった。

ようやく見物客が去り、橋の南端に下り立つと、まずます霧は濃くなってきた。
この日の歩きも変化に富んでいて大変面白いものだったが、キスゲ平〜丸山〜八平ヶ原は晴天時にまたゆっくりと散歩してみたいと思った。
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N


【ルートマップ】 赤い線が今回歩いたルートです






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