赤岩沢分岐から錫ヶ岳〜宿堂坊山周回 | H17.9.10 |
三俣山から北上して宿堂坊山、白檜岳から南下して錫ヶ岳・・・そしてその中間の錫ヶ岳〜宿堂坊山をこの日歩きました。 大岳南南西の渡渉地点まで柳沢林道を歩き、あとは2077ピークまで尾根を西に登りました。 県境尾根は思ったほど展望は利かず、マークが多い割には踏跡は薄く、さすがは深山の雰囲気でした。 スタミナ切れで帰りは赤沼からの低公害バスに合いませんでしたが、途中で車に拾って頂く幸運もあって、苦しく楽しい山行でした。 |
(西ノ湖入口)5:52---(柳沢川渡渉)6:40---(柳沢林道合流)8:25---(2077P)9:45/9:50---(錫ヶ岳)11:45/12:00---(2077P)13:12/13:15--- (1991P)14:41---(宿堂坊山)15:31/15:45---(柳沢川渡渉)17:10---(西ノ湖入口)17:31 |
@ | 9月になると、さすがに日照時間が目に見えて短くなったと感じる。 千手ヶ浜行きの低公害バスが出発する5:30には完全に明るくなったが、それまでは薄暗かった。 20分ほどバスに揺られて西ノ湖入口で下車。柳沢林道に入る。 あざみ橋から見上げる空は、久々に快晴である。 歩くこと10分弱で、西ノ湖林道との分岐点。 ここは、先日歩いた大岳への取付き地点でもある。 今回は、柳沢林道を西進する。 右に鳥居、左奥にログ小屋を見て、黙々と西進する。 切り出された丸太が、至るところに山積みにされている。 1502ピークの南西尾根を巻いてしばらく進むと、白いガードレールの橋を渡る。 このあたりから、車の通行は困難な道となる(@)。 道はちょっと大きな砕石がゴロゴロして、路肩に一条の踏跡が付いている。 落石注意の白い看板を2枚見る。 水源かん養保安林の看板のある地点で、道はヘアピンカーブとなるが、ショートカットする踏跡がある。 大きな倒木が道にのしかかっている。 くぐって少し行くと、右側(大岳側)に水場がある。 パイプが差し込まれているので、気付くと思う。 水場のすぐ先で、道は河原へ近づいて下りていく。ここで渡渉となる。 水量が少なければ、川に入らずに渡れるかも(A 振り返って撮影)。 ただこの日は水量が多い上に、私はストックはザックにしまいっ放しで滅多に使わないので、最初から飛び石伝いに渡るのはあきらめた。 靴を脱いで渡ったが、水は刺すように冷たい。 渡った対岸からは林道を進まず、赤岩滝方面に向かって堰堤脇に続く踏跡を進む。 右に壊れた木橋、そして堰堤を見て過ぎると、河原歩きとなる。 当然のことながら石がゴロゴロしているが、何となく踏跡がついていて、大きな石の上に小石が積み上げられ目印となる(B)。歩きにくいということはない。 1542ピークの直下?には小沢があり、丸太を伝って跨ぐ。 ここには、立ち木に四角マークが2つある。 進路は西に変わり、ゴロゴロ河原から樹林帯に入ると、倒木を重ねた渡渉地点に出る。ここが赤岩滝分岐である(C)。 ここでは渡渉せず、南側の斜面を上がる。 斜面を上がると、縁に獣道がついている。 まだ尾根らしい感じではなく、途中、平坦ではなくなって山肌をトラバース気味に行くようになるが、構わず縁を歩く。 山肌の縁を忠実に進んでいくと、やがて明らかに尾根の突端と分かる地点に出る。 ここが、柳沢林道終点に至る尾根の取付きとなる。 取付いて間もなくシャクナゲのヤブとなるが、突破は難しくない。 ヤブを過ぎれば歩き易い尾根である。 再びヤブが濃い場所があるが、このあたりは小ピークなので、ヤブに惑わされず尾根筋を進む。 進路は南向きとなり、最後に急斜面の踏跡をよじ登ると、周囲の明るい林道に飛び出す(D)。ここは、柳沢林道終点の手前である。 東方向を見ると、林道は完全崩壊しており、白い地肌が崩れ落ちている。 役目を終えた林道が、自然に帰ろうとしている。 山が、自ら傷を癒そうとしているかのようだ。 北を見れば、2241ピークと錫ヶ岳が迫る。 林道を西進し、間もなく終点となる(E)。 立木にマークがあり、笹の斜面に薄い踏み跡がついている。 この踏跡は非常に薄く、取付いてからそのまま直進しないようにしたい。 注意していれば分かるが、すぐに左(南)へ進み、1874ピークの西鞍部方面に向かって踏跡はついている。 尾根上に出たら、笹から樹林帯に入る。 踏跡らしい踏跡はないが、構わず尾根筋を西へ進めばよい。 すぐに、1874ピークの鞍部に出て、ここで樹林帯が一瞬途切れる。 ここからは、北をよく見ると滝が見える。 再び樹林帯に入ると、踏跡がついている。 最初は南に巻き気味に進むが、やがて北に巻き気味になる。 急登を終えると、2077ピークの東尾根に合流する。 ここには、木に白いヒモテープが巻かれている(F)。 下るときには目印になるだろう。 あとは、展望はないが歩き易い尾根を、緩やかに登りながら西へ進む。 最後ひと登りで2077ピークに飛び出す。 ここは東側以外は一望できる展望地だ。 錫ヶ岳が、柳沢林道終点からとはまた違った山容を見せる。 ここからの県境尾根は笹尾根かと思っていたが、樹林続きの尾根だった。 マークは多数付けられていて、ほとんどルーファンの必要はないが、踏跡は薄い。 笹を歩く場所は総じて踏跡はないが、尾根筋を歩けば何も問題はない。 枝が煩い場所には、必ず周囲に巻き道がある。 標高2140mで、進路は北西から北東に変わる。 しばらく単調な尾根だが、2241ピークへの登りはキツい。 2241ピークの北鞍部の東方には、10分ほど下ると水場があると聞いたが、その案内標類は何もなかった。 さあ、ここからは長くて辛い錫ヶ岳への登りである。 2〜3時間で直下まで行ける山ならよいのだが、錫は直下に来るまでが長いので、直下からの170mの登りは堪える。 これは、白檜山からのコースでも同じことが言える。 高度にして残り50mほどで、一面の笹原となる(G)。 柳沢林道終点が白く浮き上がって見渡せる。 2092ピーク周辺が、一面の平原のように広がる。 笹原といっても斜面は急だ。 V字の溝に沿って、笹に埋もれた踏跡がついている。 集中力が途切れると滑りやすいので、一歩一歩笹を鷲掴みにしながら登る。 笹の斜面を登り切ると、再び樹林に入り、緩やかに北に登り詰める。 間もなくで、錫ヶ岳の山頂に到達した(H)。 2週間前に来たばかりなので特に変わりはないが、脱落していた群大ワンゲル部の古い山名板が再び掛けられていたことくらいか。 ここで昼になった。 残りを4時間で踏破すれば最終バスに間に合うが、アップダウンを繰り返して宿堂坊山を経由してなので、まず無理と諦め、昼食にした。 錫ヶ岳からは、元来た道を戻る。 滑りやすい笹の斜面を下り、樹林帯をグングン下る。 2241ピークの南鞍部まで、約230mもの一気の下りである。 あとは、マークを拾いつつ、分かり易い尾根を2077ピークまで戻る。 行きの約半分の時間で2077ピークへ戻った。 さらに県境尾根を南進する。 幾つかのコブを越えていくが、単調な歩きが続く。 やがて「17」(意味は不明)の小さな鉄札が掛けられた三林班沢ノ頭に到着(I)。 ここはピークらしいピークだが、展望はない。 さらに緩やかな歩きで荷鞍尾根ノ頭だが、樹林に囲まれ暗い。 尾根筋のコーナー部という感じでしかない。 ここには、県境尾根上の水場案内が打ち付けられている。 ここから尾根は東向きとなり、単調なアップダウンで1991ピークとなる。 ここからは、南に延びる尾根に引き込まれないよう、マークを拾って東へ下る。 尾根幅は広い。 そのまま尾根なりに進んでしまうと、北東に柳沢林道へ下ってしまう。 宿堂坊山方面に東へ下る地点には、四角マークが多く集中して打ち付けられているので確認したい(J)。 尾根なりに柳沢林道へ下る方向には、白テープがぶら下がっていた。 樹林帯の急斜面を70mほど下ると、ネギト沢コルに下り立つ。 水場7分の案内標がある(K)が、日没時間が気になったし、まだ1L残っていたので、水場の確認はやめた。 また、ここには石祠があるとのことだったが、これも探す気にはなれなかった。 結局、コルは素通りして、宿堂坊山への急登にかかった。 踏跡は明瞭ではないが、気にせず登り易いように登ればよい。 急登30分弱で、宿堂坊山の山頂に着いた(L)。 これで、黒檜岳から前白根山までの尾根歩きが貫通した。 ここも、1ヶ月前に三俣山方面から登ってきたばかりなので、何も変わりはない。 ひと休みして、東尾根を下った。 この尾根は先月に続いて2回目だが、やはり倒木の多さに閉口した。 10分ほど真東に下ったら、あとは東北東に下っていく。 尾根幅が広いので、コース取りに不安を覚えるかもしれないが、特に問題はなく、倒木を避けながら単純に下っていけば、やがて尾根は痩せてきて分かり易くなる。 先月は尾根の突端まで歩いたが、今回は1707ピーク間の沢の音が大きくなってきたところで斜面を北に下りた。 沢の水が冷たくて実に美味しかった。ここでしばしのクールダウン。 沢に沿って3分ほど下ると、柳沢川に合流した。 靴を脱いで堰堤を渡り、対岸の柳沢林道に出る。 すでに17:00を回っていて、最終バスは1時間も前に行ってしまった。 先月も市道1002号を歩いたが、弓張峠手前で真っ暗になってしまった。 今回のほうが時間は早いが、日が短くなっているので、やはり弓張峠までもたないだろう。サーチライト歩きも、もう慣れてしまった。 鳥居を左に見て、西ノ湖林道と合流し、西ノ湖入口バス停に帰着したのは17:30であった。 トボトボと歩いていると、向こうからワゴンと一般車が走り去っていった。 通行許可を持っているのだろう。 羨ましいなぁと思いながらさらに歩き続けていると、先ほど走り去った車が停まって、乗せてくれた。とても幸運だった。 |
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