薬師岳〜大木戸山 H17.5.8


薬師岳は禅頂行者道を代表する人気の高い山で、私もぜひ登ってみたいと思っていました。
ただ、ルートとしては細尾峠から登るのではあまりに味気ないし、車を取りに戻るためにピストンせざるを得ないのがネックでした。
他に登れそうなルートはないかと地形図と睨めっこした結果、日足トンネルの上を行く1124ピーク経由の尾根が登れそうだったので、これを辿って歩くことにしました。
帰りは、やしおの湯まで歩いても良かったのですが、細尾ドームリンクへ延びる尾根が気になり、これを辿れれば周回にもなるので歩いてみました。
奥細尾・駐車地10:00---1124ピーク11:18---主稜線合流(名無しピーク)11:58---薬師岳12:10/12:20---1159ピーク13:02---丸山13:25/13:30---大木戸山13:51/14:00---三ノ宿山14:28/14:35---1188ピーク14:57/15:10---細尾ドームリンク前16:10---駐車地16:43


@ 平日はいつも早起きをしているのだが、休日になると途端に朝寝坊になってしまう。
この日も、起きたら8時を回っていた。
山には行けないかな、と思ったが、前から歩いてみたかった薬師岳へのトンネル上ルートからの周回コースなら歩けそうだと思い、急いで出発した。

細尾町の交差点から足尾方面に向かい、日足トンネルへは向かわず細尾の集落に入る。
住宅地の最深部まで来ると日足トンネルへ向かう国道の高架橋が眼前になる。
このあたりの脇が空き地になっているので駐車(@※振り返って撮影))。

高架橋の下を河原に向かって延びる砂利道がある(A)のでこれに入るが、ポカンと歩いていると919ピークへの尾根に取付いてしまうので注意したい。

沢沿いを詰めて歩くと、間もなく沢は二股になる(B)。
渡渉し、二股に挟まれている尾根に取付く。

樹林の中を行くが、悩まされるようなヤブは無い。
右に堰堤を見て緩やかに登り詰める。
日足トンネルに向かう車の音がうるさいが、自分でこのルートを選択しておいてそんな文句を言っても仕方がない。

小さな岩混じりの急登になってきた頃、日足トンネルの方角から何の設備があるのか車の音とは違うモーターの唸り音が聞こえてくる。

急登がひと息つく頃には国道はすでにトンネルの中で、車の音も聞こえなくなってくる。それまでが嘘のように静かな山歩きとなる。

少しして再び急登となる。
尾根は広がってくるが、西に向かって適当に歩けばよい。
地形図では分からないが、急登の途中にガレ場があるので、土肌がしっかりしている場所に迂回して登る。

登り切ると境界標が現れ、その先はミヤコザサの草原となる(C)。
ここは、まさに日足トンネルの直上部になる。

緩やかに1124ピークを越えると、地形図には現れない大きな窪みがあるので、窪みの対岸に登り返す。
その先は、延々と笹尾根の登りとなる。

尾根は南南東に続いているが、尾根が広がって分かり辛くなって来る頃南へ続く尾根にぶつかる。ここで傾斜は少し緩んで登り易くなる。

どこまで登りが続くのかと思いながら登る(D)。
それでも樹林の中の登りと違って明るい笹尾根の登りは疲れを半減してくれる。

登りが緩やかになると名無しピークに辿り着く。
標識らしきものは何も無いが、主稜線側に赤テープがぶら下がっていた。
それにしてもこのトンネル沿いの尾根は素晴らしい尾根であった。
何故歩かれないのかが不思議だ。

ひと息つき、アカヤシオのトンネルを西へ向かう。
ここからは頻繁にハイカーとすれ違うようになる。
踏跡通りに緩く登り詰めると薬師岳山頂である(E)。

山頂はあまり広くは無いが、5人の先客がいた。
展望はなかなか良いのだが、曇り気味なので見通せるとまではいかなかった。

元来た道を戻り、名無しピークを越え、グングン下っていく。
笹原の中の踏跡は明瞭で、ルートファインディングは必要ない。

1221ピークと1159ピークの中間鞍部あたりは尾根沿いにネットが張られてあり、崩れた石祠もあった。

1159ピークを越えると緩やかなアップダウンになるが、丸山への登りはなかなかキツい。
丸山は、その名から展望の良い丸い笹原の山頂を想像していたが、樹林で展望の無い山頂であった(F)。

丸山からは南東に急降下し、コブをアップダウンしていく。
大木戸山直下は岩稜の様相を呈してくるが、それも束の間で終わって大木戸山に着く(G)。
ここの山頂は狭いし展望も無く、ひと休みするような雰囲気ではない。
山名板よりも火の用心やゴミ持帰りの看板のほうが目立っていた。

大木戸山からは道なりに西へ進んで北東に急降下する。
このあたりもずっと踏跡は明瞭で迷うことは無い。

三ノ宿山との鞍部には石祠が2つある。
このあたりから尾根筋に有刺鉄線があるのが目障りだ。

ジゲザグの急登を終えると河原小屋三の宿林道からの尾根を合わせ、平坦な道を北へ少し進むと三ノ宿山に到着(H)。
ここも樹林に囲まれ展望は無い。

ここからは北西に下るが、すぐに北へ一直線に進むようになる。
多少登り返して1188ピークだが、ここは境界標があるだけだ。

ここから大木戸地区へ下る尾根を探し出すのが今回の最大のポイントであった。
地形図では、最初は真西へ下り、その後北西に下るようになる。
境界標のほんの少し南からから真西へ踏み入れてみると、幅は広いが尾根状になっており、まずはこちらで間違いないと思った。Iの通り倒木があるので目印になる。

西へ下っても笹原で先が見通せるので助かる。
注意深く西へ下ると再び大きな倒木があり、そこから北西に向かう尾根は明瞭に見通せた。
踏跡はまったく無いが、所々に境界標がある。

分かり易い尾根筋を忠実に下っていくと、尾根は行き止まりとなって二股になる。
ここは北東に進路を取る。
そしてすぐに尾根筋は行き止まりとなって二股になる。
東方向に境界標があるが、こちらに入り込むと872ピークとの谷に下りてしまうので北へ向かう。

このあたりはすでに笹原ではなく、樹林の中となる。
緩やかな下りとなってしばらく進むと尾根の中央に石祠が堂々と鎮座している(J)。祠の先からは最後の急降下となる。

ドームリンクはすでに眼前に大きく視界に入っているので意識はこれに引き寄せられるが、あえて北西に下るのが正解。
下り切ったところに再び立派な祠が現れる(K)。
見るからに、まだ新しい。
祠の下にある大きな石碑には、「氷滑場建設記念碑」と彫られてあった。
恐らく、スケートリンク建設時に置かれたものなのだろう。

石碑のすぐ先で樹林帯を抜けると、大きなドームリンクは右手にある。
あとは、車道を戻るだけ。

今回のコースはミヤコザサの爽快な尾根続きだったのでルーファンが容易で、迷うことなく歩くことができた。

7時間前後の行程なので、多少朝寝坊しても歩けます。
1188ピークからの下りは、ルーファンに慣れるにも丁度良い難易度のコースだと思いました。
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K


【ルートマップ】






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