横根山〜大滝山 | H17.5.4 |
横根山は前日光を代表する明るい山で、前日光ハイランドロッジから簡単に行けます。 ただ、日瓢鉱山南西(957ピーク北西)から大滝山をつなげることで、横根山を基点に鳴蟲山・石裂山・ハナント山まで尾根歩きがつながるので、最初からそれを目的としたコース設定で歩きました。 大滝山は地形図にはその名を記載されない三角点ピーク(1070.2m)で、前日光林道からの尾根は本格的なヤブ漕ぎとなります。 |
前日光林道・駐車地6:00---象の鼻8:40/8:50---横根山9:10/9:20---前日光林道869地点11:20---大滝山12:45/12:55---横根林道14:00---日瓢鉱山事務所前14:35---駐車地14:55 |
@ | 今回の登山ルートは1/25000地形図にも記載されている、前日光林道の957ピーク北西を基点とする破線になる。先日、粟野町中央尾根(勝手に命名)を歩いたとき、この破線の取り付き地があるか見てみたが、分からなかった。 957ピークの西に至る林道の基点には看板があり(@)、車は帰りのことも考え、@より少し日瓢鉱山寄りに走ったところに停めた。 @地点まで歩いて戻り、取り付き地を探したが、土留めの擁壁が立ちはだかり、一体どこから登るのやら・・・と思いきや、写真手前の擁壁が切れる場所にわずかに人が入った形跡があった。入ってみると、難なく尾根に取り付くことができた。 尾根筋には、日光社寺の境界標が番号入りで打ち込んである。最初に見かけたものは、頭に09番が打刻されている。登るにつれ、08・07・・・と若くなっていく。01まで行くと、次は99・98・・・と続いていた。 この境界標は、かなり短い間隔で打ち込まれており、これを辿ればまず間違うことはないし、尾根自体も分かりにくいところはない。かすかに踏跡もついている。 地形図に記載される破線は、その存在がない道もあり、こんなアクセスの不便なところから始まる道は実際にはないのだろうという先入観があったので、薄いとはいえ踏跡が存在したことと、この境界標の存在は、意外であった。 境界標63のあたりが1068ピークと思われたが、とてもピークとは思えない単なる鞍部で、東から合流する破線の存在も分からなかった。 取り付いて最初のうちは杉林の中を行くが、境界標58あたりで明るくなり、以降は背の低い笹原を踏み分けていく爽快な尾根となる。 13まで来ると、尾根は広く平坦になる(A)。 そうこうしているうちに、境界標番号は再び99に戻り、91で北に分岐する道がある。これが横根山東部と日瓢鉱山へ至る破線の道だろうか? そのまま西進し、左手が広場になっているオオシダの木の看板があるところで、道は北へ方向転換し、横根山へ近づいていく。 少し下ったところに、網でできた鹿除けの柵がある(B)。ロープを解くと柵の扉が開き、自由に出入りできる。 ロープは、軽く結び直すエチケットを忘れないようにしたい。 柵から先は、井戸湿原となり、湿原荘と象の鼻とのT字路となる。私は象の鼻を経由して行ったが、湿原へ向かったほうが横根山へは近道と思われる。 大滝山へハシゴするような変わり者でなければ、象の鼻も井戸湿原もじっくり歩いて回るのもお勧め。 T字路を象の鼻方面へ向かうと、しばらくは湿原の中のクネクネ歩きとなり、現在地が分からなくなる。 象の鼻まで行けばまた把握できるだろうと特に気にもせず歩いていくと、今度は横根山と象の鼻とのT字路となる。 象の鼻は見てもどうということはないのだが、ここまで来ればすぐなので、初めてなら寄るだけ寄ってみると良い。展望は素晴らしい。 象の鼻から横根山へはあまり高度差がないので、急坂はない。 途中、井戸湿原への道を横断し、栃木県横根山中継局の倉庫のような建物の先で左折、その先は雰囲気の良い樹林のトンネルの中を行く。 前日光牧場へ下るT字路を直進すれば、横根山はすぐそこである。 横根山の山頂は思ったより狭いが、東屋がある。 三角点から少し離れると、展望も利く。 ひと休みして、日瓢鉱山方面の案内に従って北東へ向かう。 踏跡は広く明瞭で、迷うところはない。 やがて、前日光ハイランド林道の舗装路を横断する(C)。 横断してすぐ先に、「横根山⇔入粟野」の案内標が立っているが、このあたりから登山道は尾根筋を南に外れ始めるので、尾根筋を外れないように注意したい。 なお、尾根筋には踏跡はない。それまで明瞭な登山道を歩いてくるので不安感に襲われるかもしれないが、構わず進む。 やがて尾根は東に方向転換し、1286ピーク(とてもピークとは思えないが)の直下で再び前日光ハイランド林道を横断する。 横断したら、少しの間南にトラバース気味に進み、東へ延びる尾根に取り付く。 相変わらず踏跡はない。 尾根に忠実に東へ進んで行くと、3回目の林道横断となるが、土留めの擁壁で絶壁になっているので、擁壁の切れる南寄りに下って横断する。 林道は、ここで舗装道と砂利道の切れ目になっていて、トレーラーの上物を改造したような資材小屋らしきコンテナが置かれていた。その先には工事詰所らしきコンテハウスも見えた。 ここから先の尾根は、急勾配の下りとなり、岩尾根の様相となる。 標高1070mあたりには、とてつもない大岩があり、烏ヶ森の住人さんのHP情報で東を巻けると知っていたが、下りで来るとどう巻いてよいか分からず、そのまま大岩に向かっていった。 それが大失敗で、とてもスンナリ下りられる岩ではなかった。 岩の切れ目の土を払ってわずかに掘り、手掛かり・足場を確保しながら慎重に下りたが、とても生きた気がしなかった。 大岩から先は問題なく下れるが、前日光林道が見えてきたら尾根が二手に分かれるので、南側の尾根を選択する。ただ、これはどちらを下っても距離に大差はない。 下り立った前日光林道の869地点は、横根林道が分岐している。さらに、前日光林道と横根林道との間に、作業道が延びている(E)ので、これを入る。 作業道は複雑に分岐しているが、左の尾根側を選択しながら進み、適当に尾根に取り付く。 ここからは、素晴らしいヤブとの出会いとなる(F)。 東北東に向かっていることを時々確認しながら、とにかく藪を突き進む。 ヤブとの格闘に慣れてきた頃、南東へ方向転換するピークに到着する。 このピークには、森林整備公社の境界標と、赤頭の古い境界標がある(G)。 この先わずかの間だけ、横根山の展望が素晴らしい。 すぐにヤブに再突入し、大滝山へ向かい東へ方向転換する地点に着く。 ここには、崩れて土台と屋根だけになった石祠がある(H)。 この祠をよく覚えておきたい。 ここから先はさらにひどいヤブになるので、祠を忘れると帰りに正確なルートを歩いているか確認する術がない。 石祠のチョイ先から東へ向かって下る。鞍部まではヤブは大したことはないが、大滝山への登りは強烈。登りはルートを誤る心配はないので、ひたすら耐えて登る。暑くても帽子と手袋は着用必須。 やがて勾配が緩やかになると、南側が植林地となり、視界が開ける。 植林の中を3分ほど進むと、横たわった丸太の影に三角点がある。ここが大滝山山頂だ(I)。山名板は、脱落して存在しない。周辺の木をよく見ると、針金だけ残っているので以前はあったと思われる。 この山へ登られる奇特な方がいらっしゃったら、ぜひ山名板を設置して頂きたい。 帰りは、再びヤブ尾根を下るが、とにかく真東へ下ることを心掛けたい。 登った分下りてきたかな?と思ったら、見通しが利かないなりに左右をよく確認したい。少しズレて尾根筋が見えたら大正解。そちらへ移れば尾根筋に復帰し、鞍部から登り返して先ほどの石祠へ辿り着く。 石祠からは西南西に下る。 相変わらずヤブが煩いが、これまでと比べたら天国だ。 横根林道に近づく頃、ヤブは笹ヤブとなり、一瞬前進に難儀するが、耐える。 横根林道へ下り立つ地点は土留めの擁壁があるので、擁壁の上を東へ少し進み、林道に下りる。 あとは、薬草・薬木園を過ぎ、前日光林道を日瓢鉱山方面へ下っていく。 本格的なヤブ漕ぎも、終わってみれば面白いものだと感じた。 |
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