南摩ダム廃村の地〜石裂山へ H18.2.11


昨年末に、栗沢峠〜430.7Pまでを歩いた続きです。
鳥居と石祠が現れる528Pまでは展望のない尾根ですが、そこから先は展望あり・鉄塔あり・大岩ありで変化に富んだコースとなりました。
これで、大滝山を基点とした、鳴蟲山経由引田への尾根・三峰山経由栗沢峠への尾根・横根山経由口粟野への尾根歩きが完了しました。
▼ 1回目
(西之入地区駐車地)10:28---(430.7P)11:06---(441P)11:27---(398峠)11:50---(528P)13:01/13:10---(県道177・上久我坂本地区)13:45---(駐車地)14:53

▼ 2回目
(駐車地・上久我石裂バス停)8:35/8:50---(法長内地区・バス下車)8:58---(県道177・上久我坂本地区)9:15---(528P)10:00/10:07---(694.8P)10:58/11:05---(762P)12:44---(石裂山)13:50---(月山)14:05---(駐車地)15:12


@ 南摩ダムで水没の運命にある西之入地区は、住居跡は残っていない。
住居の区画跡や、電線の引込線でわずかに偲ぶことができる。
不法投棄を取り締まる看板がせわしなく並び、どこか痛々しい。

西之入地区の舗装道脇に駐車(@)して出発。
かなり遅い時間の出発になってしまったが、今回は歩く距離が短い。
車の回収の都合があるので、上久我坂本地区へ下山することに決めていた。

舗装道をさらに先に進み、前回下山した西ノ入林道口で小沢を渡渉し、尾根に取付いた。
分かり易い尾根を40分弱登り、430.7ピークに到着(A)。
三等三角点と、アンテナの鉄柱が立っている。展望はない。

ここからが、前回の続きとなる。
西へ尾根を進むと、鞍部から登り返して再び430m級ピークに着く。
山頂部はソコソコ広いが展望はなく、西方の白い境界標の方角へ下る。

次の441ピークも展望はなく西進。
その西の460m級ピークは、「栃木縣」の古い境界標があり、ここで尾根筋は北へ方向転換する。

398峠方面へ下るにつれ、尾根幅が広くなって不明瞭な地形となる。
峠までの下りは、東寄りに尾根を進んだほうが分かり易いようだ。
峠は何もないが、ここから杉が直列に揃って立ち、美しい。

峠からはダラダラとアップダウンを繰り返す。
470m級ピークからの下りでは、528ピーク南を走る送電線が見え隠れする。

南東から435ピークからの尾根を合わせるが、特にどうということはなく、坂本=境沢を結ぶ地形図の破線も、道形らしきものは認められなかった。

440mまで登った地点には、赤い境界標と木に黄ペンキがあって目印になる。
ここでわずかに北西に進み、すぐに再び北へ向かうようになると、新栃木線の送電鉄塔に着く(B)。

528ピークの南斜面の登りはキツい。
一歩一歩、ゆっくり登る。

528ピークの山頂には、意外にも立派な石祠と、根元が朽ちかけた鳥居があった(C)。これは、坂本地区の人々が祀ったものか。

まだ14時前でもったいない気もするが、予定通りここから坂本地区へ下山開始。
急坂を東に下っていく。
途中に、「TVケーブル埋設 昭和52年12月」と書かれたクリスタル柱を何本か見かける。

傾斜が緩やかになり、東から東北東へ尾根筋がカーブすると、展望が開けて(D)、作業道に出合う。
そのまま直進すると、再び新栃木線の送電鉄塔に着く。

ここで尾根筋は北東と南東へと再び分岐する。南東へ向かう。
間伐材が煩いが、それも束の間で、樹林帯に入っていく。

迷うようなところはなく、ドンドン下っていくと、鉄塔から20分ほどで畑に出る。
畦道を進んで廃屋の裏を通り、坂本地区の県道177号線に出た。
ここには、電柱と境界標が立っている(E)。

あとは車道歩きで、廃村の笹之越路地区を越えて南下し、西之入地区の駐車地に戻った。

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続きのコースを歩くにあたっては、車の回収を考えて上久我石裂〜法長内地区をバスで移動することにした。
そうすれば、坂本まで歩いても近いし、石裂山から下山してすぐに車に辿り着くことができる。

石裂方面へのバスは、大半が馬返地区で終点となり、石裂まで入るのは1日2本のみだが、上久我石裂8:50発の鹿沼駅行き(F)が丁度良い。

自由乗降できるので、法長内の県道177号T字路地点で下車し、車道を南下。
歩くこと20分弱で先日下り立った坂本地区に着き、同じ場所から取付いた。

新栃木線206号鉄塔を過ぎ、45分ほどで528ピークに到着。
ここからが本当の続きになる。

北西に尾根を進む。
鞍部から登り返す520m級ピークは南側を巻く。
その先の530m級ピークでは、南側が開けて好展望が得られた。
ここは広いので、北西に下る地点が分かり辛いが、コンパスを信じて進めば問題なく、再び突入する暗い樹林帯の尾根筋には微かに踏跡が認められた。

鞍部からは、694.8ピークの東ピークまで、一気に150mほど登る。
地形図では尾根の形ではなくなり、斜面を登るような印象があるが、実際に歩いてみると思っていた以上に尾根であった。

北西→西へと向きを変え、登り切った670m級ピークには、石祠があった(G)。
北西から鉄塔巡視路の黒いプラ階段が登ってきていた。

南西に巡視路を下り、東に登り返す(H)。
向かう方向には、鉄塔がある。

ほぼ登り切ると、笹が刈り払われ、鉄塔と三等三角点のある山頂に着く。
ここが694.8ピークである(I)。
南北とも、素晴らしい展望が得られる。日光連山が一望できた。

ここから南南西に尾根通しに下ると、尾根は西と南へ分岐するが、巡視路階段通りに西へ下る。

鞍部の直前に大岩があるので巻いて下り、登り返すが、なかなかキツい登りだ。
登り切った地点が尾根の十字路になるのだが、登り切る前に南西へのトラバース道があるので楽をする。

ここから西南西に下っていくが、尾根幅が広くなり分かり辛い。
南へ引き込まれないように注意したい。

登り返した680m級ピークには、少し南に下った地点に鉄塔があるが(J)、鉄塔へは進まずに、西へ方向転換する尾根筋を進む。

下った鞍部には、地形図では破線が通っているものの、道形は認められない。

北へ登り返して660m級ピークを過ぎ、ここを下ると作業道が接近してきてしばらく並行する。
この作業道は762ピークの直前までずっと隣を通っている(K)。

762ピークの東ピークを西へ下ると大岩があり、スリリングな尾根となる。
巻いて鞍部に下り、登り返すとまた大岩(L)。
これも巻いて急登すると762ピークだが、期待に反して何もなく、展望もない。

北北西に下るとまたも大岩があるので巻く。
加蘇山神社からの回遊コース道との合流地点直前に「銃猟禁止区域」の看板があり、尾根なりに進むと、案内標のあるコース道合流地点に達した(M)。

これで栗沢峠〜大滝山の尾根が貫通したが、せっかくここまで来て石裂山・月山に寄らないのではもったいないので先に進む。

あとは通ったことのあるコースで、よく歩かれているコースとなるので迷うことはないが、2ヶ所のハシゴ階段はやはり気持ちが悪い。

御沢峠に下り立つと、石裂山山頂から喋り声が聞こえた。
ジグザグに登り返すと、月山への尾根道と石裂山頂への分岐点に出る。
立派な案内標に従ってわずかに西へ進めば石裂山頂に着く。

山頂では、3人組が昼食中であった。
ここは元々展望も良くないので長居する気は無かったが、それにしても三角点に腰掛けるように狭い山頂を独占しているのはいかがなものか?

石裂山は三角点に触っただけで引き返した。
木の根が露出して歩きにくい道を進み、鞍部へ下る。
急斜面をジグザグに登り返して月山に達した(地形図には山名表示はない)。

昨年、小川沢峠から登ってきたときはアカヤシオが満開だったが、今回はまだ冬の景色だ(N)。
ここでも2人組が昼食中であった。

月山からは、回遊コースに従って北東へ尾根を下る。
山頂に雪はなかったが、斜面には雪が少し付いていて、すっかり凍結していた。
急なので、滑らないように慎重に下った。

鞍部まで下るとトラロープがあり、尾根通しには進めないようになっている。
いつもなら尾根筋のその先が気になるところなのだが、尾根ルートを通行禁止にした理由は植物保護のためとどこかで聞いた記憶があったので、素直にトラロープに従って谷筋を下っていった。

奥ノ宮コースも暗くて嫌だったが、このコースも石がゴロゴロの歩きにくいコースで、あまり好きなコースではない。

足首を挫きそうになりながらダラダラと下っていくと、やがて沢沿いとなって、間もなく奥ノ宮コースと合流した。

竜ガ滝手前の東屋を過ぎ、沢を渡り返しながら広い道を下り、加蘇山神社に出る。
あとは、舗装道を15分も歩けば、上久我石裂バス停の広場に戻れる。

今回の山行は尾根歩きを貫通させることが目的だったので、それが達せられて良かったのだが、石裂山は山頂はつまらないし、月山コースを通っても奥ノ宮コースを通っても暗い雰囲気でどうも好きになれない。

一般的ではないが、小川沢峠から月山へ行く尾根が一番面白いなぁという印象を持った。
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N


【ルートマップ】(赤線が今回のルート)






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